シノノメソウ(読み)シノノメソウ(英語表記)Swertia swertopsis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シノノメソウ」の意味・わかりやすい解説

シノノメソウ(東雲草)
シノノメソウ
Swertia swertopsis

リンドウ科の二年草。伊豆半島以西,四国九州深山に生えるが数は少い。全草無毛で平滑。茎は細い四角形で直立し高さ 30~50cmになり,まばらに枝を出す。葉は少数対生し,薄い膜質,深緑色で平行脈が目立つ。花は6月頃,葉腋茎頂に散形状に数個ずつ集ってつく。淡緑色で5深裂し,裂片は線形でとがり背面に稜がある。花冠萼片とほぼ同長で白色の鐘形,5深裂,半開し,裂片は広卵形で先がとがり,内面上部に紫斑がある。おしべは5本で短く,花冠下部に付着する。柱頭の先は2裂する。アケボノソウ (曙草)に似るため,同意の東雲草と名づけられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シノノメソウ」の意味・わかりやすい解説

シノノメソウ
しののめそう / 東雲草
[学] Swertia swertopsis Makino

リンドウ科(APG分類:リンドウ科)の一年草または越年草。茎は高さ30~40センチメートル。8~9月、茎上部に密集した散形花序をつける。花冠は5裂し、白色で紫色斑点(はんてん)がある。丘陵帯から山地帯の林内にかけて生え、伊豆半島、四国、九州に分布する。名は、本種が同じくリンドウ科のアケボノソウに似るので、その同義語をあてたもの。

[高橋秀男 2021年5月21日]

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