日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャコンヌ」の意味・わかりやすい解説
シャコンヌ
しゃこんぬ
chaconne フランス語
ciaccona イタリア語
17、18世紀に流行したやや緩やかな3拍子の器楽曲。通常、低声部が一定の旋律(とくに主音から属音への4度下行)もしくは一定の和音進行を終始反復する一種のオスティナート変奏曲の形をとる。リフレインの歌詞にチャコーナchaconaの語がかならず含まれた中南米の舞曲がスペインに渡来し、イタリア、ドイツで器楽曲として発展した。最初は長調の曲が多く、短調のパッサカリアとは区別されており、ギター、カスタネット、タンバリンで伴奏された。17世紀中ごろのイタリアでは、声楽シャコンヌもみられる(モンテベルディ、フレスコバルディ)。フランスに入ると、テンポが遅くなりフランス特有のロンドー形式と結び付き(リュリ、クープラン)、18世紀前半にドイツでその黄金時代を迎える(ブクステフーデ、バッハ)。その後はほとんど例がない。
[関根敏子]