シュリューター(読み)しゅりゅーたー(英語表記)Andreas Schlüter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュリューター」の意味・わかりやすい解説

シュリューター
Schlüter, Andreas

[生]1664頃.5.22. 〈洗礼ハンブルク/グダニスク?
[没]1714.6.23. ペテルブルグ/モスクワ?
ドイツのバロック建築家,彫刻家。グダニスクで修業したのち,ワルシャワでクラシンスキ宮殿のペディメントの彫刻 (1689~93) を作り,1694年プロシアのフリードリヒ3世に招かれ,フランスとイタリアに留学,96年帰国。 98年建設総監に任命され,ベルリン王宮 (98~1706,第2次世界大戦中に破壊) ,ベルリン郵便局 (01~04,1889解体) を建てたが,1706年,ムンツ塔が不適当な土台のため崩壊した。しかし,なおベルリンのドロテーンシュタットのビラ・カメッケ (1711~12,第2次世界大戦中に破壊) を建て,王の死後,14年にロシアのペテルブルグに移住した。

シュリューター
Schlüter, Otto

[生]1872.11.12. ウィッテン
[没]1959.10.12. ハレ
ドイツの人文地理学者。ハレ大学教授として研究生活をおくった。 19世紀ドイツの地理学を体系化した F.ラッツェルの学統を継ぎ,景観の研究こそ地理学の課題とした。ドイツの景観地理学の先駆者として数多くの業績を残し,20世紀前半の地理学の基礎を築いた。彼の行なった村落の分類は主として平面形態上の特性に着眼したもので,集落形態の分類に大きな影響を与えている。主著『人文地理学の目標』 Die Ziele der Geographie des Menschen (1906) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュリューター」の意味・わかりやすい解説

シュリューター
しゅりゅーたー
Andreas Schlüter
(1664ころ―1714)

ドイツの彫刻家、建築家。北ドイツのバロック様式の代表的存在。ハンブルク(もしくはダンツィヒ)に生まれる。1689~93年ワルシャワで活躍し、94年プロイセンのフリードリヒ3世の宮廷建築家となってベルリン王宮の造営に携わる。96年イタリアに滞在。97~98年ベルリン兵器廠(しょう)の建築および装飾に従事する。『フリードリヒ3世立像』『大選挙侯騎馬像』はこの仕事を通じて生まれた彫刻の代表作。後者はドイツ初の野外における騎士像で、絶対王制の証言でもある。1713年宮廷首席建築家としてペテルブルグに招かれ、翌年の6月23日同地で客死。

[野村太郎]

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