シーザーとクレオパトラ(読み)しーざーとくれおぱとら(英語表記)Caesar and Cleopatra

精選版 日本国語大辞典 「シーザーとクレオパトラ」の意味・読み・例文・類語

シーザーとクレオパトラ

  1. ( 原題[英語] Caesar and Cleopatra ) 戯曲。五幕。バーナード=ショー作。一九〇一年発表。シーザーカエサル)とクレオパトラの出会いの中に、英雄としてだけではなく人間としての弱さと強さをもつシーザー像を描いた作。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シーザーとクレオパトラ」の意味・わかりやすい解説

シーザーとクレオパトラ
しーざーとくれおぱとら
Caesar and Cleopatra

イギリス劇作家バーナード・ショーの五幕史劇。1898年作、1901年初演。紀元前48年のエジプトが舞台で、スフィンクス胸中に眠る16歳のおてんば娘(クレオパトラ)と、偶然その前に立った老紳士(シーザー)との会話から始まる。ショーは「現代古典俳優のための偉大な古典テーマ」というが、喜劇的タッチロマンスの皮をはぎ、通説の英雄の幻想を破ったものである。この劇のシーザーは現実主義に徹した、独創的な力のある男で、『運命の人』のナポレオンと同じくショー流の英雄で、政治と人生を教え込んで小娘の女王を成長させ、エジプトを去る。1945年映画化

[菅 泰男]

『山本修二訳『シーザーとクレオパトラ』(岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーザーとクレオパトラ」の意味・わかりやすい解説

シーザーとクレオパトラ
Caesar and Cleopatra

イギリスの劇作家 G.B.ショーの戯曲。5幕。 1898年執筆。アマチュア劇団によって,1901年にシカゴで初演。専門劇団による初演は,06年 10月 30日,J.フォーブズロバートソンによるニューヨーク公演。 16歳のクレオパトラと,彼女に寛容な支配者としての成長を期待する 54歳のシーザーが主人公。従来のロマンチックな英雄観を排し,シーザーを一人の常識人として描き,そのなかに現代の政治や社会や文明に対する風刺がこめられている。 49年の C.ハードウィックと L.パーマーのニューヨークの舞台,51年のロンドンにおける L.オリビエと V.リーの舞台が有名。 44年映画化。

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デジタル大辞泉プラス 「シーザーとクレオパトラ」の解説

シーザーとクレオパトラ

1946年製作のイギリス映画。原題《Caesar and Cleopatra》。バーナード・ショーの戯曲を映画化。監督:ガブリエル・パスカル、出演:クロード・レインズ、ビビアン・リー、スチュアート・グレンジャーほか。

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世界大百科事典(旧版)内のシーザーとクレオパトラの言及

【ショー】より

…以下初演)である。それ以後,ヒロイズムを風刺した《悪魔の弟子》(1897),売春問題を扱った《ウォレン夫人の職業》(1902),生命力の哲学を具体化させた《人と超人》(1905),英雄を茶化した《シーザーとクレオパトラ》(1906),ジャンヌ・ダルクを主人公にした《聖ジョーン》(1923)のほか,おびただしい数の戯曲を発表した。音声学者が花売り娘に上流階級の言葉づかい,礼儀作法を教えこんでレディに仕立てる《ピグマリオン》(1913)は,のちにアメリカで,ブロードウェーでのミュージカル・ドラマ化を経て,《マイ・フェア・レディ》(1964,G.キューカー監督,アカデミー作品賞ほかを受賞)として映画化された。…

※「シーザーとクレオパトラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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