日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジュリアーニ」の意味・わかりやすい解説
ジュリアーニ
じゅりあーに
Alfredo Giuliani
(1924―2007)
イタリアの詩人、批評家。ペザロ生まれ。ローマ大学哲学科卒業。『イル・ベッリ』同人として1961年、詞華集『最新詩集――60年代のための詩』を編纂(へんさん)し新前衛派の地平線を開いた。造語や伝統的詩語を駆使した言語上の実験は内容偏重のリアリズムをも脅かす緊張感をもち、「慰め」の詩を拒否する。1963年に各分野の前衛作家たちとパレルモで「63年グループ」を結成。文化の価値を根底から変革しようとする運動は世界に衝撃を与えた。1969年まで『クインディチ』誌を主宰し新前衛派の理論的拠点とした。詩集に『哀れなジュリエット』(1965)、『誰がそう言ったであろうか』(1973)、短編小説『若きマックス』(1972)などがある。
[望月紀子]