ジョチ(読み)ジョチ(その他表記)ǰöchi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョチ」の意味・わかりやすい解説

ジョチ(朮赤)
ジョチ
ǰöchi

[生]?
[没]1225
モンゴルの武将。チンギス・ハンの長子。母ボルテが妊娠中にメルキト人に奪い去られ,ケレイトのワン・ハン (王罕)のとりなしで帰郷の途中,ジョチを産んだといわれる。 1211年から父に従って征伐に参加,17年エニセイ川流域のキルギス人を征服,19年の征西には右翼軍を指揮してウルゲンチなどを占領したが,弟チャガタイと衝突,シルダリア北方に滞留してここに独立の勢力をつくり,その領域はアラル海の北からブルガール人の住地との境界に及んだ。死後その本家は長子オルダが継いで白帳ハン国となり,ウラル川以東を領有。次子バトゥ (抜都)はウラル川以西に金帳ハン国,一名キプチャク・ハン国を建ててロシアを支配した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ジョチ」の解説

ジョチ
Jöchi

?~1227?

チンギス・カンの長子。タタル族などの征討に参加し,父のモンゴル高原統一に貢献。父の即位後,1211~15年の第1次対戦争に従軍,18年に北方タイガ地帯の諸部族を服属させた。モンゴル西征に参加し,ホラズム・シャー朝の旧都ウルゲンチを攻略した。イルティシュ川上流域にジョチ・ウルス創設バトゥの西征後,ウルス西方に飛躍的に拡大した。

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