第2次大戦直前に,ドイツがフランスの攻勢を防ぐために構築した国境要塞。ドイツ名Westwall。ヒトラーの発意によるもので,1938年5月から約1年という短期間で完成した。このため緊急工事用に当時のドイツの総力が結集されたといわれている。要塞はアーヘンからバーゼルまで,マジノ線にほぼ平行に約600kmにわたり,縦深は約50kmであった。大砲,機関銃等はコンクリートで防護され,完全電化,防毒設備,衛生設備等が完備しており,第2次大戦西方攻勢の拠点となった。なお,第1次大戦中にドイツ占領下のフランスに作られた防御線を連合軍はヒンデンブルク線と呼び,ドイツ軍はリール付近からサン・カンタン付近までの部分をジークフリート線と命名した。
執筆者:近藤 新治
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ドイツがつくった大要塞(ようさい)線。
(1)第一次世界大戦中ドイツ軍が西部戦線に構築した防御陣地。アラスからサン・カンタンを経てエーヌ川まで150キロメートルに及ぶ。1917年初めに構築され、翌18年の春季大攻勢の拠点となり、同年10月まで維持された。ジークフリートはドイツの伝説の英雄名。連合軍はこれをヒンデンブルク線Hindenburg lineとよんだ。
(2)第二次大戦前ヒトラーがフランスのマジノ線に対抗して構築した要塞陣地。アーヘンからバーゼルまで400キロメートルに達する。無数のトーチカや戦車壕(ごう)を配したが、1944年末~45年初め連合軍の優勢な空軍と機動部隊により突破された。ヒトラーはこれを「西の城壁」Westwallとよんだ。
[吉田輝夫]
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