デジタル大辞泉
「スケルトン」の意味・読み・例文・類語
スケルトン(skeleton)
1 骸骨。
2 建物や船などの骨組み。駆体。「スケルトン賃貸住宅」
3 内部の構造が透けて見えること。「スケルトンタイプの腕時計」
4 ガスストーブの放熱用の燃焼筒。
5 鉄製のそりの一種。簡単な構造でハンドルやブレーキはなく、重心の移動によって操作する。また、これにうつぶせに乗って行う氷上スポーツ。頭を進行方向に向け、氷で固められたコースを滑り降りて所要時間を競う。冬季オリンピックの正式競技。
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スケルトン
- 〘 名詞 〙 ( [英語] skeleton )
- ① 骸骨(がいこつ)。
- ② (建物や船などの)骨組。また、機械などの内部構造。近ごろでは、電気器具などで、中の構造が透けて見えるようなデザインにもいう。「スケルトンカラー」
- ③ ガスストーブなどで、炎を放射熱に変えるために取りつけてある石膏製の器具。
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スケルトン(スポーツ)
すけるとん
skeleton
選手が頭を進行方向に向けてうつぶせの状態でそりに乗り、氷上コースを滑走し、その速さを競う競技。スケルトンskeletonとは、「骸骨(がいこつ)」あるいは「骨組み」を意味することばであり、そりの形状が滑走部と車体のみの単純な構造でつくられていたことから、その名前がついたといわれている。
スケルトン競技は、1884年にスイスのサン・モリッツのクレスタの谷間に世界最初のスケルトン専用コースが建設されたのを契機に発展・普及していった。その結果、サン・モリッツで開催された第2回(1928)と第5回(1948)の冬季オリンピック大会で、正式種目として採用された。その後は、冬季オリンピックの参加国数や技術面等の問題から、オリンピックの正式種目からスケルトンが除外された。スケルトンが冬季オリンピックの正式種目として復活することになったのは、2002年の第19回ソルト・レーク・シティ大会でのことである。
スケルトン競技は、ボブスレーやリュージュと同じコースで滑走するそり競技である。そりにあおむけで乗り足先から滑走するリュージュとは異なり、頭を進行方向に向け、うつぶせになってそりに乗る。滑走中は、重心移動やつまさきでそりを操作する。競技成績は、(1)スタートでそりに加速(スタートダッシュ)をつけるスプリント力、(2)最適なコースのライン取りをするための操作技術、(3)そり性能と空気抵抗の少ない滑走フォームの維持能力によって決定する。また、そりには重量制限があり、男子は43キログラム以下、女子は35キログラム以下となっており、そりおよび競技用具を含めた選手の総重量は男子115キログラム、女子92キログラムを超えてはならないと規定されている。ただし、選手の体重によりこの規定を超える場合は、そりの重量は男子33キログラム以下、女子29キログラム以下にすることとされている。そりの長さは80~120センチメートル、高さは8~20センチメートル等、各部の材質や形状についての細かい規定がある。選手はコースによって、また天候に応じてそりを調整してレースに挑むなど、人とそりが一体になることが競技力にとってたいへん重要となっている。
[鈴木省三]
スケルトン(イギリスの詩人)
すけるとん
John Skelton
(1460?―1529)
イギリスの詩人。オックスフォード、ケンブリッジ両大学に学び、「桂冠(けいかん)詩人」の称号を受ける。ヘンリー7世の信任を得て宮廷に出入りし、王子(後のヘンリー8世)の教育に携わり、のち聖職につく。不規則に押韻する短い行からなり、緊迫した印象を与える独特の詩形を駆使して、宮廷と教会の腐敗、とくに枢機卿(すうききょう)ウルジー批判の風刺詩を書く。ほかに戯曲もある。彼は思想的、手法的にも、中世から近代への過渡期に位置している。
[藤井治彦]
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スケルトン
skeleton sledding
鋼鉄製ランナー (刃) がついたそり。また,そのそりに頭を前にして腹ばいに乗った状態で氷のコースを滑走し,所要時間を競う冬季競技の一つ。別名クレスタ。コース面すれすれまで顔を下げた状態で滑走するスリルに満ちた危険な競技で,速度は時速 130km以上に達する。 1884年,スイスのザンクトモリッツに建設されたクレスタランというコースで誕生。全長 1213mのクレスタランでは 1885年以降,毎年全国的な競技大会が開催された。 1887年の同大会で初めて頭を下にして滑る選手が登場。 1892年に鋼鉄製のそりが導入され,その「骨ばった」外見から「スケルトン」と命名された。 1928,1948年のザンクトモリッツ・オリンピック冬季競技大会で競技種目になるが,その後不採用。 1970年代初めのそり改良と人工凍結コース誕生をうけ,国際大会が復活。 1987年までに世界選手権とワールドカップが開かれ,国際ボブスレー・トボガニング連盟 FIBTから競技として認定された。 2002年,ソルトレークシティー・オリンピック冬季競技大会で男女ともに再び正式競技として採用された。選手はスタート時,左右についた2本のハンドルを両脇に挟んでそりを押す。両側面にはコースに激突した際の衝撃を和らげるバンパーがついている。操舵機構やブレーキはなく,一方の足を氷上に出したり体重を移動して操縦する。選手を含めた最大重量は,男子 115kg,女子 92kg。コースは通常ボブスレーと共有する。国際大会では2回滑走し,合計タイムで順位を決める。
スケルトン
Skelton, John
[生]1460頃.ノーフォーク
[没]1529.6.21. ロンドン
イギリスの詩人。風刺詩,ユーモラスで写実的な詩,および「スケルトン風」と呼ばれる短い,「息をつかせぬ」不規則な押韻の詩行で知られる。中世とエリザベス朝を結ぶ過渡的な詩人で,むしろ中世の伝統に属するが,その風刺精神は宗教改革の時代を指向する。桂冠詩人の称号を与えられ,ヨーク公 (のちのヘンリー8世) の教育係となった。 1498年聖職につく。唯一の道徳劇『雅量』 Magnyfycenceのほか,雀の死をいたむ少女を歌った『フィリップ・スパロー』 Phyllyp Sparoweや宗教界を風刺した『コリン・クラウト』 Collyn Clout (1519) などがある。
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スケルトン
John Skelton
生没年:1460?-1529
イギリスの詩人。とくに風刺詩にすぐれていた。オックスフォードおよびケンブリッジの両大学に学び,その学殖のゆえに,皇太子ヘンリー(のちのヘンリー8世)の教育係を務めた。1498年に聖職に任じられたが,活発な詩作活動はむしろそれからである。短い詩行に不規則な韻を踏ませながらの急迫した歌いぶりは,のちに〈スケルトニック〉と呼ばれることになる独自な詩風であった。《スズメのフィリップ》は猫にスズメをとられた娘の嘆きを歌って,この作者の一種のロリータ・コンプレクスのようなものをうかがわせる。《コリン・クラウト》(1519ごろ)は,当時の教会に対する手きびしい風刺。英詩史のなかの15世紀から16世紀前半は,チョーサーとルネサンスの間にはさまれた不毛の時代とみなされるが,そのなかできらりと光ったスケルトンは,20世紀になってから評価が高まった。
執筆者:川崎 寿彦
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知恵蔵
「スケルトン」の解説
スケルトン
緩やかな勾配のスタートゾーンからソリを押し、うつ伏せに飛び乗って頭を前にしてコースを滑走する競技。国際的にはボブスレー・トボガニング連盟(FIBT:Federation Internationale de Bobsleigh et de Tobogganing〈仏〉)に属しているが、日本では日本ボブスレー・リュージュ連盟の一競技。タイム計測や試合の方法はボブスレーと同じ。スケルトンは骸骨という意味で、ソリ競技の中では最も単純な構造のソリを使う。最高で時速130km前後にもなる。その中で無駄な動きをせず空気抵抗をより少なくしなくてはならない。ソリの操作は肩とひざを使って行うが、トップクラスになると頭を僅かに動かすだけで操作するという。2002年のソルトレーク大会で、五輪の正式種目に採用された。越和宏は、1999年と2000年のワールドカップ長野大会で優勝。これはソリ競技の国際大会で日本人初の快挙だった。
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スケルトン
英国の詩人。オックスフォードとケンブリッジ両大学に学び,ヘンリー8世の皇太子時代の家庭教師を務め,聖職にもついた。独特の韻律をもった風刺詩で知られる。《フィリップ・スパロー》(1545年)などの作品がある。
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スケルトン
金属など不透明素材で作られた筐体の大部分を切除もしくは透明素材に置き換え、内部機構が見えるようにした外殻構造。建築では、構造体のみを残して全てを解体し、内装や設備機器を新設するリフォーム工事のことをスケルトンリフォームという。
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
スケルトン
素材・デザイン透明または半透明な素材でできたパソコンなどの筐体、またはデザイン。内部の構造が見えるため「skeleton。照会条件設定用の表データベースの照会言語であるQBEで使用する、照会条件設定用の表のこと。QBE
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