ストーンヘンジ(英語表記)Stonehenge

翻訳|Stonehenge

デジタル大辞泉 「ストーンヘンジ」の意味・読み・例文・類語

ストーンヘンジ(Stonehenge)

英国ウィルトシャー州ソールズベリ平原にある巨石記念物新石器時代から青銅器時代まで何回も作りなおされた結果、環状列石が四重に残る。太陽崇拝と関係する祭祀遺跡とされる。1986年、近くにあるエーブベリーの巨石遺跡とともに世界遺産文化遺産)に登録された。

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精選版 日本国語大辞典 「ストーンヘンジ」の意味・読み・例文・類語

ストーンヘンジ

  1. ( Stonehenge ) イギリスソールズベリーの西三キロメートルにある環状列石(ストーン‐サークル)。直径約一一五メートルの濠によって囲まれた中央に四重の列石をおく。紀元前二八〇〇~一一〇〇年ころ三時期にわたって構築されたと推定され、墳墓説、祭祀場説、天文台説などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ストーンヘンジ」の意味・わかりやすい解説

ストーンヘンジ
Stonehenge

イギリス,イングランド南部,ソールズベリー平野にあるヨーロッパ随一の巨石記念物。新石器時代後期から青銅器時代にかけて(前2500~前2000ごろ),大きく3回に分けて造営された。Ⅰ期には,外側に堀をもつ幅6m,高さ1mほどの土塁を径100mの円形にめぐらし,その内側の同心円状の位置(径86m)に56の土坑を掘っている。この土坑からは火葬人骨が出土した。北東の開口部の外には高さ5mの自然石(ヒール・ストーン)が立てられ,さらに,土塁と土坑列に重なって,低い土盛りの上に石を立てた施設(ステーション)が4基設けられた。Ⅱ期には,中心からほぼ13mと11mの位置に同心円状に二重に,それぞれ38個の立石を配した。ブルーストーン・サークルである。開口部はⅠ期と一致し,そこから幅13mの道路状遺構(アベニュー)がほぼ550m北のエーボン河畔まで通じている。現存する壮大な巨石記念物はⅢ期に構築された。ブルーストーン・サークルより一回り大きく,径30mの円周上に30個の巨石を立て並べ,この立石の上に楣(まぐさ)状に巨石をのせ輪状に連結した(サーセン・サークル)。立石は1個25t,楣石は7tに及ぶ。この石列内に,30cmの間隔をおいて立てた2個の巨石の上に楣石をのせた総高7mの通称トライリソンを5組,馬蹄形に配置している。この時期には,ブルーストーンもサーセン・サークルとトライリソンの内側に配置し直された。ストーンヘンジについては,魔術師マーリンアイルランドから移したという伝説やドルイド教徒の祭祀場とみる説があった。実際はそれよりはるかに古いものだが,それが特殊な祭祀遺跡であることは疑いない。すでに18世紀にヒール・ストーンの方向が夏至の日の出の方向に一致することが指摘され,最近では巨石や土坑などの配置や高さなどから,さまざまの天文観測の可能性を推測し,それを中心とした祭祀執行の場とする説も提出されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストーンヘンジ」の意味・わかりやすい解説

ストーンヘンジ
すとーんへんじ
Stonehenge

イギリス南部ソールズベリー平野のほぼ中央にある巨石記念物。世界各地にあるストーン・サークルのうちもっとも著名な遺跡で、20世紀に入ってからの数次にわたる調査の結果、年代や構築状況が解明されてきた。1986年に巨石記念物であるエーブベリー、関連する遺跡群とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。ストーンヘンジは、中心から、トリリトン、サーセン円、Z穴、Y穴、オーブレー穴、周溝が同心円状に配列され、北東部にはヒル・ストーンが建ち、そこに至る通路がつくられている。これらの構成は一時期につくられたのではなく、Ⅰ~Ⅲ期に段階的に建造、使用されたことが判明し、その実年代は紀元前2800~前1100年ごろと推定されている。

 Ⅰ期には主として外周部がつくられた。Ⅱ期にはブルー・ストーンとよばれる石が搬入され、サーセン円とトリリトンの中間に二重の環状に建てられた。Ⅲ期はさらにa~c期に細分されているが、ストーンヘンジ最大の構築物であるトリリトンとサーセン円がつくられた。サーセン石のうち最大のものは50トンを超える。またこの時期にはブルー・ストーンの建て替えを行っている。

 G・S・ホーキンズはこれらの石の配列をさまざまな角度から考察し、「ストーン・サークル=天文台」説を提唱したが、ストーンヘンジの中心と、ヒル・ストーンを結ぶ線が夏至の日の出の方向を示す以外は一般には認められていない。また墓壙(ぼこう)を伴うことから埋葬との関連も考えられる。

[寺島孝一]

『G・S・ホーキンズ著、竹内均訳『ストーンヘンジの謎は解かれた』(1983・新潮社)』


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストーンヘンジ」の意味・わかりやすい解説

ストーンヘンジ
Stonehenge

イギリス南部ウィルトシャーソールズベリーにある巨石記念物環状列石遺構。外側に直径 100mほどの堀があり,その内側に石柱列が四重に環状にめぐらされている。中央には巨石が馬蹄形に立っており,その中心に祭壇石がテーブル状に置かれている。前3000~前1520年の間に 6回にわたってつくり上げられたと推測され,古代の祭祀遺跡の代表的なものである。1986年エーブベリー遺跡とともに世界遺産の文化遺産に登録。

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百科事典マイペディア 「ストーンヘンジ」の意味・わかりやすい解説

ストーンヘンジ

英国のソールズベリー近郊にあるストーン・サークル。中央に祭壇石が置かれ,それを囲んで馬蹄(ばてい)状に石柱が並び,外側に3重の環状列石がある。その外に3重の穴の列,最外側に直径約110mの溝があり,溝の外,祭壇石の北東方にヒールストーンと呼ばれる石が置かれている。新石器時代〜青銅器時代に改築が繰返された。太陽神をまつる一種の祭場とする説が一般的で,夏至(げし)の太陽がヒールストーンを通って祭壇石を照射したものとすれば,その年代は前1840±200年となる。1986年,世界文化遺産に登録。
→関連項目ストーンヘンジ,エーブベリーと関連する遺跡群

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世界の観光地名がわかる事典 「ストーンヘンジ」の解説

ストーンヘンジ【ストーンヘンジ】
Stonehenge

イギリスのイングランド南部のソールズベリ(Salisbury)近郊にある、古代の環状列石の遺跡。同市街の北西約13km、ソールズベリ平原の中にある。高さ4~5mの30個の立石(メンヒル)が、直径約100mの円形に配されている。その建造年代は、紀元前2500年から紀元前2000年と推定されている。夏至の日には、ヒールストーンと呼ばれる高さ6mの玄武岩と、中心にある祭壇石を結ぶ直線の延長上に太陽が昇ることから、この列席を配した人物は高度な天文知識を持っていたといわれる。その用途についても、祭祀場や礼拝場、あるいは天文台など、さまざまに推定されているが、不詳である。◇ロンドンのウォータールー駅からソールズベリ駅まで列車で約1時間30分、さらに駅からバスで約25分の場所にある。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ストーンヘンジ」の解説

ストーンヘンジ
Stonehenge

イングランドの南部ソールズベリ平原にある巨石遺構。環状列石(ストーン・サークル)の形態をとり,直径107mの環状の濠と土塁の内部に巨大な数十個の立石と一個の平石を配している。青銅器時代の前19~前15世紀に数回に分けて建造されたとみられる。その用途としては祭儀,太陽崇拝,あるいは葬儀の場と推測されているが,不明であり,建造した民族もはっきりしていない。

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世界遺産情報 「ストーンヘンジ」の解説

ストーンヘンジ

原野にたたずむ謎の巨石群、ストーンヘンジ。イギリス南部のソールズベリー郊外、直径100mを超える環状の溝と土手で囲まれた広場に、馬蹄形に組み立てられた巨石群が立っています。最大のもので重さ50トンを越える巨石が同心円状に配置されており、神秘的で不思議な光景が広がります。一体、誰が何の目的で造ったのか。その謎はまだ明らかになっていませんが、今からおよそ5,000年前の紀元前3,000年頃、牧畜、農耕が盛んで鉄器を持った好戦的な民族・古代ケルト人によって造られたといわれています。

出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ストーンヘンジ」の解説

ストーンヘンジ
Stonehenge

イギリス南部,ウィルトシャー州にある巨石記念物
環状列石の代表的な遺跡。学者により想定復原され,墳墓あるいは天文台とされるが,確かなことはわからない。

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世界大百科事典(旧版)内のストーンヘンジの言及

【イギリス美術】より

…19世紀末のアーツ・アンド・クラフツ・ムーブメントはその意味で,イギリスに典型的な運動であったといえよう。
【建築】

[古代,中世]
 本来の建築とは見なされないが,先史時代の建築的な遺物としては,ソールズベリー平野のストーンヘンジがある。ヨーロッパの巨石記念物の代表的なもののひとつに数えられるが,その目的については定説がない。…

【巨石記念物】より

…たとえばフランスのブルターニュ地方のカルナック列石は,3群に分かれて東西3kmにわたって続くが,各群の端部にはストーン・サークルあるいはドルメンが付属する。またストーンヘンジ遺跡は二つのストーン・サークルからなるが,それぞれ中央にドルメンおよびメンヒルが立っている。 クレーンとか滑車などの道具がない時代に,このような巨石を動かしたり立てたりすることは極めて困難であったろう。…

【祭祀遺跡】より

…北西ヨーロッパの新石器時代から青銅器時代にかけては,巨大な石で構築した各種の遺構の存在が目だっており,巨石記念物と総称されている。その代表例とされるイギリスのストーンヘンジや3000本近い立石を列に並べたフランスのカルナック列石(クロムレクcromlech)は,ともに太陽崇拝との関連が論じられている。 農耕祭祀とのかかわりとは無縁だが,日本の縄文文化にも環状列石(ストーン・サークル)がある。…

【ストーン・サークル】より

…ウェールズ語の呼称クロムレックcromlechを採用したり,立石の上に楣(まぐさ)石を置いて相互に連結したものをヘンジhengeと呼んで特に区別することがある。ヨーロッパの大西洋岸に多くの遺構があり,イギリスのストーンヘンジエーブリーや,フランスのエル・ラニック,カルナックのものが著名である。ヨーロッパ以外でも,西南アジアのシナイ,アラビア,イラン,インドのデカン高原やアッサム地方,南シベリアのミヌシンスク地方,中国の甘粛省,日本の北海道,東北地方などに存在する。…

※「ストーンヘンジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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