改訂新版 世界大百科事典 「スマッツ」の意味・わかりやすい解説
スマッツ
Jan Christiaan Smuts
生没年:1870-1950
南アフリカ連邦の軍人,政治家。ケープ植民地に生まれ,ステレンボス大学法学部卒業後,ケンブリッジ大学に留学した。1895年帰国後トランスバール共和国大統領クリューガーの知遇を得て国選弁護士となり,ボーア戦争中はボーア軍ゲリラを率いて戦った。1905年L.ボータと人民党を結成し,ボーア人の自治権回復を要求して渡英,06年トランスバール自治権回復とともにボータ自治政府の植民地次官兼教育相に就任した。10年の南アフリカ連邦成立後,鉱業・国防・内相となり,ボータと南アフリカ党を結成した。第1次大戦ではドイツに反対し,16年東アフリカ帝国軍の司令官に就任,17年渡英してイギリス戦時内閣閣僚となった。戦後,国際連盟を提唱した。ボータの死後19-24年連邦首相を務め,34年ヘルツォークと連合南アフリカ国民党を結成した。第2次大戦では中立を唱えるヘルツォーク首相と対立し,連合軍側に参戦,39年再度首相となった。戦後はアメリカに渡り,国際連合の設立に努力。
執筆者:林 晃史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報