スラウェシバラット州(読み)スラウェシバラット(英語表記)Sulawesi Barat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スラウェシバラット州」の意味・わかりやすい解説

スラウェシバラット〔州〕
スラウェシバラット
Sulawesi Barat

インドネシアの州。スラウェシ島西部に位置し,北および北西はスラウェシトゥンガ州,南東はスラウェシスラタン州,南および西はマカッサル海峡に接する。州都は南西部沿岸に位置するマムジュ。2004年スラウェシスラタン州の北西部を分離して創設された。西部沿岸には低地が細長く伸び,南部には低い丘陵地帯が広がっている。対照的に,中部と中北部および東部地域は山が多く,標高 2500mにおよぶ高山もいくつかある。州域のおよそ 3分の2は森林に覆われ,低地の森ではコクタンフタバガキ科などの広葉樹やヤシ類が茂り,低い山地ではカシやブナ科の木が多い。高地では針葉樹も見られる。バビルサ,アノア,メガネザルツカツクリなど多くの珍しい生物の生息地。人口の大部分をおもに南部に住むマンダル族が占め,東部高地にはトラジャ族が,中西部沿岸地域にはマムジュ族が居住する。「上流の七民族」と呼ばれる先住民のなかではバンバン族とウルマンダ族が知られている。また,ブギス族マカッサル族ジャワ族なども居住する。多くはイスラム教徒だが,キリスト教や地域宗教なども信仰されている。農業が主産業で,米,トウモロコシキャッサバヤムイモなどを生産する。海洋漁業だけでなく,汽水域や淡水域での漁業も盛ん。林産品はラタンヤシが有名。サービス業と貿易業も重要幹線道路通り,重要な陸上交通路となっている。多くの港があり,マムジュ近郊には空港がある。面積 1万6787km2。人口 115万8651(2010速報値)。

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