ジャワ族(読み)ジャワぞく(英語表記)Javanese

翻訳|Javanese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャワ族」の意味・わかりやすい解説

ジャワ族
ジャワぞく
Javanese

インドネシアのジャワ島の主要民族。ジャワ語はオーストロネシア語族に属し,その話者人口は 7100万人をこえると推定される。おもな生業水稲耕作バティック木彫,銀細工などの工芸が盛んである。海岸地帯では漁業の依存度が高い。ジャワの社会は貴族,プリヤイ (おもに官吏,都市のホワイトカラー,知識階級) とウォンチリ (小さい民を意味し,農民,都市の下層階級,筋肉労働者) の3階層に分れ,その階層差は言葉づかいにも現れている。出自双系であり,核家族を基本とするが,祖先志向的な親族集団がみられる場合もある。貴族,プリヤイの一部を除き,一夫多妻婚はまれで,単婚が一般的であるが,離婚率がきわめて高い。厳密な居住規制はないが,中南部ジャワでは,結婚後3~5年ぐらいは妻方居住で,その後夫方に移る。大部分のジャワ族イスラム教徒であり,イスラム教の信仰の程度からサントリ (イスラムの教義に忠実な信徒) とアバンガン (イスラムの教義によって生活を律しない人々) に分けられる。この違いは,世界観,価値観,生活態度にもみられ,一般にみられる呪術信仰は特にアバンガンに根強い。一方,ワヤン・クリ (影絵芝居) やガムランなどにはヒンドゥー文化の影響が著しい。

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