セメンテーション(読み)せめんてーしょん(その他表記)cementation

翻訳|cementation

デジタル大辞泉 「セメンテーション」の意味・読み・例文・類語

セメンテーション(cementation)

金属表面層に異種元素浸透・拡散させて、表面を硬く、または、さびにくくすること。鉄の表面に炭素をしみ込ませて焼入れする滲炭など。
トンネル・坑道工事などで、湧水を阻止するため、地層裂け目セメントモルタルコンクリートを注入すること。

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精選版 日本国語大辞典 「セメンテーション」の意味・読み・例文・類語

セメンテーション

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] cementation )
  2. 金属の表面処理法の一つ。金属表面の硬度耐食性耐熱性などを高めるため、他の元素を付着させ、内部に浸透・拡散させて被覆層を作ること。浸炭法が最も良く知られている。〔改訂増補や、此は便利だ(1918)〕
  3. 軟弱地盤補強や坑道掘削中に出る水をせき止めるため、セメントを注入する工法

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セメンテーション」の意味・わかりやすい解説

セメンテーション
せめんてーしょん
cementation

金属材料の表面層に異種の原子をしみ込ませて、表面部を硬く、あるいは錆(さ)びにくくする方法であって、拡散浸透めっきともいう。

 金属の表面処理としては、このほかに、電気めっき真空蒸着セラミックコーティングなどがあるが、これらは材料の外表面に金属や酸化物の皮膜を形成させる方法である。これに対してセメンテーションは、金属材料自身を加熱し、異種原子をしみ込ませて、表面層そのものを改質する方法であって、内部との結合が強固な表面層が得られる。鉄の表面から炭素原子をしみ込ませ、焼入れによって表面層だけを硬くする浸炭法は、セメンテーションの代表例であり、また、鉄の表面からクロム、亜鉛、アルミニウムなどをしみ込ませて、錆びにくく、また酸化しにくくする方法も、古くから実用されてきたセメンテーションである。

 セメンテーションを行うには、しみ込ませようとする元素を含む粉末の中に材料を埋めて加熱し、蒸気と材料とを反応させる物理的方法や、金属粉末と塩化アンモニウムの混合物中に水素を流し、発生する金属塩化物と材料とを反応させる化学的方法など、各種の方式が考案されている。

[西沢泰二]

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