ゼノタイム(読み)ぜのたいむ(英語表記)xenotime-(Y)

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼノタイム」の意味・わかりやすい解説

ゼノタイム
ぜのたいむ
xenotime-(Y)

希土類元素、とくにイットリウム族希土のもっとも重要な鉱石鉱物の一つ。花崗(かこう)岩質ペグマタイト、ある種の火成岩変成岩、高温熱水鉱床などのほか、これらに由来する漂砂鉱床中に産する。自形は背の低い正方両錐(すい)形が普通で、しばしばジルコンと平行連晶parallel growth(複数の結晶結晶軸を互いに平行した状態で共存しているもの)をなす。福島県石川町、三重県津市美杉(みすぎ)町竹原などが産地として有名。学名ギリシア語で異常を意味するゼノスと、何々を記念してを意味するティムとの複合語に由来する。-(Y)は含有される希土類元素中、イットリウム(Y)がもっとも多いことを示す。他にもxenotime-(Yb)がある。

加藤 昭]


ゼノタイム(データノート)
ぜのたいむでーたのーと

ゼノタイム
 英名    xenotime-(Y)
 化学式   Y[PO4
 少量成分  Ca,Fe,U,Th,Pb,As,V,Si,H2Oおよび他の希土類
 結晶系   正方
 硬度    4.5~5
 比重    4.4~5.2
 色     黄褐,灰緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

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