日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソルベー会議」の意味・わかりやすい解説
ソルベー会議
そるべーかいぎ
物理学および化学に関する国際会議。ベルギーの工業化学者E・ソルベーは、量子論が提起した物理学上の基本的問題に関心をもち、問題解決に真に寄与しうる国際会議を提唱した。その提唱に基づき、1911年、ブリュッセルに、アインシュタイン、M・キュリー、ランジュバン、ラザフォードらの国際的に著名な物理学者が招待され、「輻射(ふくしゃ)理論と量子」をテーマに報告し、討論しあった。少人数による討論を重視する会議の形式はその後のソルベー会議を特徴づけるものとなった。第2回(1913)以降は、国際科学委員会を組織し、その委員会がテーマと招待者を決定するようになった。日本からは湯川秀樹(ひでき)、朝永(ともなが)振一郎、坂田昌一(しょういち)、佐藤文隆(ふみたか)がこれまでに招待されている。22年には化学に関するソルベー会議が開催されるようになった。ソルベー会議の経過は、ベルギー独立150周年を記念して開かれた第17回化学会議(1980)において報告されている。
[慈道裕治]