ソーンダイク(読み)そーんだいく(英語表記)Edward Lee Thorndike

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソーンダイク」の意味・わかりやすい解説

ソーンダイク
そーんだいく
Edward Lee Thorndike
(1874―1949)

アメリカの心理学者。マサチューセッツ州生まれ。ハーバード大学でW・ジェームズの指導を受け、機能主義functionalismの影響下に動物の学習に関する実験を行い、続いて、コロンビア大学に移り、J・M・キャッテルのもとで、ネコなどの迷路・問題箱の実験を継続、動物の知能に関する研究で学位を得た。

 動物の学習実験で連合過程を分析し、試行錯誤による偶然の反応が、正しい結果をもち、満足を与えることによって、その反応がそのときの事態と連合を強めること(効果の法則)と、反応と事態との反復によって、いっそう連合が強められること(練習の法則)を主張した。この主張は、その後の行動研究・学習理論に大きな影響を与えている。彼はこれらの動物実験から人間の学習、教育面にも広い関心をもち、教育測定、語彙(ごい)研究などに開拓的業績を残している。主著に『Animal intelligence』(1898)、『Educational psychology』(1913)、『Fundamentals of learning』(1932)、『Man and his work』(1943)などがある。

小川 隆]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソーンダイク」の意味・わかりやすい解説

ソーンダイク
Thorndike, Edward Lee

[生]1874.8.31. マサチューセッツウィリアムズバーグ
[没]1949.8.9. ニューヨーク,モントローズ
アメリカの心理学者。 1904~40年コロンビア大学教授。動物の知能に関する先駆的な実験業績,およびその結合主義的学習理論は,現代の学習心理学でもなお中心的役割を占めている。また,算数,代数,読み書きなどに心理学を初めて適用した功績は大であり,アメリカにおける教育心理学創始者とされている。主著『動物の知能』 Animal Intelligence (1898~1901) ,『教育心理学』 Educational Psychology (3巻,13~14) ,『学習の基本原理』 Fundamentals of Learning (32) 。

ソーンダイク
Thorndike, Dame (Agnes) Sybil

[生]1882.10.24. リンカーンシャー,ゲーンズバラ
[没]1976.6.9. ロンドン
イギリスの女優。 A.ホーニマンのレパートリー劇場やオールド・ビック劇場などで,ギリシア劇から現代劇にいたる多くの作品に出演。当り役はメデイア,マクベス夫人,聖ジョーン,キャンディダなど。 1969年ロンドン近郊に自身の劇場を創設した。

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