タイツ(英語表記)tights

翻訳|tights

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイツ」の意味・わかりやすい解説

タイツ
tights

腰から足先にかけて素肌をぴったりと包み込む伸縮性のある脚衣のこと。主としてバレエ,体操競技,サーカスなど,極度に運動の激しい場合に男女が着用し,上体と一連になったものもこう呼ぶ。この種のタイトな脚衣は広くはホーズともいわれ,紀元前6世紀代にすでにみられる。初期には革製であったが,やがて布地から織地,網地へと発展した。ヨーロッパの中世後期から近世にかけてはラシャ製のホーズが最も普遍的な脚衣であった。 16世紀になって腰から大腿部をおおうトランクホーズが用いられるようになると,ホーズは事実上トランクホーズとストッキングとに分離し,次第にニット製のものが現れるようになった。現在のタイツが登場するのは 19世紀なかば以後のことであり,メリヤス技術の発達とスポーツの普及に起因する。メリヤス地によるタイツの発達は,バレエの技法に著しい影響をあたえ,跳躍や空中での回転がこれによって自由自在にできるようになった。なお,タイツにはオペラレングスという足首から先の部分がないスパッツのようなものもある。色は肌色,白,ピンク,黒を主に種類も豊富である。フランスでタイツをマヨーというのは,19世紀の初め,パリ・オペラ座の衣装係マヨーがバレエ用に改良し,バレエの制服一部にしたからである。

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