日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイワンザル」の意味・わかりやすい解説
タイワンザル
たいわんざる / 台湾猿
Formosan macaque
[学] Macaca cyclopis
哺乳(ほにゅう)綱霊長目オナガザル科の動物。台湾特産種で、ニホンザルM. fuscata、インドのアカゲザルM. mulatta、東南アジアのカニクイザルM. fascicularisと近縁である。全身灰褐色で、無毛の顔は肌色。がっしりとした体格をもち、尾は太く長い。雌が発情すると、尾の付け根から会陰(えいん)部にかけての性皮が大きく腫脹(しゅちょう)する。深い森林より明るい山地を好み、地上性の傾向が強いといわれる。植物性食物を中心とする雑食性で、昆虫、カタツムリ、カニなども食べる。社会構造は、ニホンザルやアカゲザルのそれとよく似ているものと思われる。
[川中健二]