タイワンザル(読み)たいわんざる(英語表記)Formosan macaque

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイワンザル」の意味・わかりやすい解説

タイワンザル
たいわんざる / 台湾猿
Formosan macaque
[学] Macaca cyclopis

哺乳(ほにゅう)綱霊長目オナガザル科の動物。台湾特産種で、ニホンザルM. fuscata、インドのアカゲザルM. mulatta、東南アジアのカニクイザルM. fascicularis近縁である。全身灰褐色で、無毛の顔は肌色。がっしりとした体格をもち、尾は太く長い。雌が発情すると、尾の付け根から会陰(えいん)部にかけての性皮が大きく腫脹(しゅちょう)する。深い森林より明るい山地を好み、地上性の傾向が強いといわれる。植物性食物を中心とする雑食性で、昆虫カタツムリカニなども食べる。社会構造は、ニホンザルやアカゲザルのそれとよく似ているものと思われる。

[川中健二]

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小学館の図鑑NEO[新版]動物 「タイワンザル」の解説

タイワンザル
学名:Macaca cyclopis

種名 / タイワンザル
科名 / オナガザル科
外来種 / ◎
解説 / 野生では台湾にしかすんでいません。
体長 / 40~55cm/尾長26~45cm
体重 / オス6~9kg、メス4~6kg
食物 / 果実、葉、昆虫など
分布 / 台湾の山岳地域の森林。日本では伊豆大島などで野生化

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タイワンザル」の意味・わかりやすい解説

タイワンザル
Macaca cyclopis; Formosan rhesus

霊長目オナガザル科。体長 40cm,体重 10kg内外。尾は長く,体長より少し短い程度。体は灰色がかった黄褐色。群れをつくって生活し,果実,木の葉などの植物質貝類などを食べる。台湾に分布する。

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