タマバエ(読み)たまばえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマバエ」の意味・わかりやすい解説

タマバエ
Cecidomyiidae; gall midge

双翅目タマバエ科に属する昆虫の総称。タマバエ (蝿) とは虫 癭 (虫こぶ) をつくるハエの意であるが,昆虫学的にはこの科はむしろのほうに属する。また,虫 癭をつくらないものも多い。微小ないし小型のカに近い体制をもち,体と肢は細く,丸みのある翅をもつ。触角はじゅず状で細長く,10節以上から成り,各節に付属物がつく。単眼はない。幼虫の食性はさまざまで,アリマキカイガラムシダニなどを食べるもの,キノコや樹皮,動物の糞を食べるもの,植物の葉を巻いてその中で育つもの,そして虫 癭をつくるものなどがある。また,この類は幼虫または蛹の状態で繁殖する幼生生殖のみられる特異な群である。ムギの害虫であるムギアカタマバエのほか,ダイズキクタマバエ,クワシントナタマバエなどの害虫が知られる。 (→双翅類 )

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タマバエ」の意味・わかりやすい解説

タマバエ
たまばえ / 癭蠅

昆虫綱双翅(そうし)目タマカ科の別称。従来名称で、系統上の取扱いから改称された。

[伊藤修四郎]

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