ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タルマ」の意味・わかりやすい解説
タルマ
Talma, François-Joseph
[没]1826.10.19. パリ
フランスの俳優。イギリスで育ち,1787年コメディー・フランセーズでデビュー。 89年革命の最中に M.シェニエの『シャルル9世』を上演,その革命賛歌によって一躍名優としての地位を確保した。しかし劇団内の保守派と対立し,91年若手の仲間とともに脱退,当時本拠地であったオデオン座からリシュリュー街の劇場へ移った。 99年劇団の再統合がなされて以後は,この劇場がコメディー・フランセーズの本拠となった。タルマはナポレオンの寵愛を受け,ドイツのエルフルトでロシア皇帝アレクサンドルをはじめ諸国の王を前にして演じたこともある。また,画家の J.ダビッドを友とし,その協力を得て舞台装置,衣装の改革を行なったことでも知られる。著書に『俳優術考察』 Réflexions sur Lekain et l'art théâtral (1825) がある。
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