チェルスキー山脈(読み)ちぇるすきーさんみゃく(英語表記)Хребет Черского/Hrebet Cherskogo

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェルスキー山脈」の意味・わかりやすい解説

チェルスキー山脈
ちぇるすきーさんみゃく
Хребет Черского/Hrebet Cherskogo

ロシア連邦、シベリアサハ共和国にある山脈。1200キロメートルにわたり北西南東に連なる。最高峰は3147メートルのポベーダПобеда/Pobeda山。山脈の東部をインジギルカ川が、西部ヤナ川が北流し、中腹から山麓(さんろく)一帯にはタイガ(針葉樹林帯)が広がる。亜鉛、鉛、タングステンなど地下資源が豊富。西部のベルホヤンスクと南部のオイミャコンは世界の寒極である。この山脈の西部をベルホヤンスク山脈がほぼ並行して走っている。山脈名は、ロシアのシベリア研究家チェルスキーにちなむ。なお、ザバイカル(バイカル湖東部)にも同名の山脈がある。

[須長博明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェルスキー山脈」の意味・わかりやすい解説

チェルスキー山脈
チェルスキーさんみゃく
khrebet Cherskogo

ロシア東部,サハ共和国とマガダン州にまたがる山脈。ヤナ川下流部河谷からコルイマ川上流部河谷まで,北西-南東方向に約 1600kmにわたって連なる一連の山脈によって形成される。最高峰ポベーダ山 (3147m) 。主として砂岩頁岩変成岩花崗岩,堆積層から成る。北東斜面は標高 400m,南西斜面は 100mまでカラマツのタイガがみられる。それより上部は灌木・山地ツンドラ地帯となり,カール (圏谷) などの氷河地形がみられ,氷河 (総面積 150km2以上) も発達している。

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