つげ義春(読み)ツゲヨシハル

デジタル大辞泉 「つげ義春」の意味・読み・例文・類語

つげ‐よしはる【つげ義春】

[1937~ ]漫画家東京の生まれ。本名柘植つげ義春。独特な暗いタッチで、不条理な人間情念を描き出す幻想的な作品全共闘世代の共感を得る。代表作ねじ式」「紅い花」「無能の人」など。

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百科事典マイペディア 「つげ義春」の意味・わかりやすい解説

つげ義春【つげよしはる】

漫画家。本名柘植義春。東京生れ。本田小学卒業後,メッキ工場などさまざまな職業につく。1953年貸本漫画《白面夜叉》でデビュー。1966年雑誌《ガロ》に《沼》を発表,娯楽性の希薄な独特の作風が注目される。1968年同誌に掲載された《ねじ式》は従来の物語の文法を外れた不条理性により,漫画界を超えて注目を集めた。他に《李さん一家》《紅い花》《ほんやら洞のべんさん》,映画化された《無能の人》《ゲンセンカン主人》などがある。弟の漫画家つげ忠男ともども寡作で知られる。
→関連項目石井輝男

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知恵蔵 「つげ義春」の解説

つげ義春

マンガ家。1937年、東京都生まれ。54年デビュー。60年代中頃より青林堂が刊行していたマンガ雑誌「月刊漫画ガロ」に作品を発表し、芸術性の高いシュールな作風で注目を集めた。代表作の「ねじ式」(68年)と「無能の人」(85年)は映画化され、フランス語版も刊行されている。2017年、『つげ義春 夢と旅の世界』と一連の作品により、第46回日本漫画家協会賞のコミック部門で大賞受賞。20年には欧州最大級のマンガイベントである第47回アングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞した。その他の主な著書に『つげ義春とぼく』 (1977年) 、『つげ義春日記』 (1983年)などがある。

(2020-2-4)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「つげ義春」の意味・わかりやすい解説

つげ義春
つげよしはる

[生]1937.10.31. 東京
漫画家。本名,柘植義春。メッキ工場などで働き,1953年『白面夜叉』でデビュー。 66~68年『ガロ』誌に掲載された『紅い花』,『沼』,『李さん一家』などの一連の作品で注目され,68年発表の代表作『ねじ式』は二十数ページの小品ながら,その芸術性と不条理性が大きな反響を呼んだ。以後も寡作ながらすぐれた作品,エッセーなどを書き続ける。 91年『無能の人』が映画化され,ベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した。著書に『つげ義春とぼく』 (1977) ,『つげ義春日記』 (83) などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「つげ義春」の解説

つげ義春 つげ-よしはる

1937- 昭和後期-平成時代の漫画家。
昭和12年10月30日生まれ。昭和30年貸本屋用単行本の「白面夜叉(やしゃ)」でデビュー。43年「ガロ」掲載の「ねじ式」は少年の心の奥ふかくにひそむ情念をふしぎな感覚でえがいて注目される。作品はほかに「沼」「無能の人」,紀行「貧困旅行記」など。「無能の人」「ゲンセンカン主人」「ねじ式」が映画化された。東京出身。本名は柘植(つげ)義春。

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