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デジタル大辞泉の解説

つ[五十音]

五十音図タ行の第3音。歯茎の無声破擦子音[ts]と母音[u]とからなる音節。[tsu]
平仮名「つ」、片仮名「ツ」はともに「州」の略体からかといわれる。
[補説]「つ」「ツ」の字源については諸説があり、今日なお確定していない。「州」のほかに、「川」「津」「鬪」などからかとの説もある。
「つ」は、また、促音(つまる音)の音節を表すのにも用いられる。現代仮名遣いでは、促音の「つ」は、なるべく小書きにすることになっている。

つ[助動]

[助動][て|て|つ|つる|つれ|てよ]《動詞「う(棄)つ」の「う」が脱落したものという》活用語の連用形に付く。
動作・作用の完了したことを表す。…た。…てしまった。
「なよ竹のかぐや姫とつけ」〈竹取
多く「てむ(てん)」「つべし」「つらむ」の形で、陳述の確認・強意を表す。きっと…する。確かに…する。
「門(かど)よくさしてよ。雨もぞ降る」〈徒然・一〇
「このことかのこと怠らず成じん」〈徒然・二四一〉
「…つ…つ」の形で、動作・作用が同時に、または繰り返し行われることを表す。
「飲み食い此時まで」〈逍遥当世書生気質
「夜昼三日まで上げ下し拷問せられけるに」〈太平記・一三〉
[補説]3は平安後期以降の用法。「つ」と「ぬ」の違いは、「つ」が多く他動詞に付き、動作の完了、意志的な完了を表すのに対し、「ぬ」は多く自動詞に付き、状態の発生、自然的な完了を表す傾向がある。また、「つ」は事実・状態を直接的に表現するのに対し、「ぬ」は事実・状態を傍観的に表現するという。→たり

つ[格助]

[格助]名詞、形容詞の語幹に付く。連体修飾語であることを示し、所有・所属などの意を表す。…の。…にある。
「庭―鳥鶏(かけ)の垂り尾の乱れ尾の長き心も思ほえぬかも」〈・一四一三〉
「醜(しこ)―翁の言だにも」〈・四〇一一〉
[補説]上代に用いられ、中古以後も「まつげ」「ときつかぜ」など複合語に残る。格助詞「の」に比べて用法が限られており、場所・位置に関する語に付くことが多く、時・性質などに関する語にも付く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

五十音図タ行第三段の仮名。歯茎破擦音の無声子音と後舌の狭母音とから成る音節。
促音(つまる音)を表す仮名。促音の場合、現代仮名遣いではなるべく小書きにするとされている。
平仮名「つ」、片仮名「ツ」は、ともに「州」の略体あるいは「川」の全画からか。

( 助動 ) ( て ・て ・つ ・つる ・つれ ・てよ )
完了の助動詞。下二段型活用。用言および助動詞「る」「らる」「す」「さす」「しむ」などの連用形に接続する。
動作・作用が完了すること。また、すでに完了してしまったことを表す。…た。…てしまう。…てしまった。 「我も見人にも告げむ勝鹿の真間の手児名が奥つき処/万葉集 432」 「死にければ、陣の外に引き棄て/枕草子 9
ある事柄が実現することを確信をもって述べるのに用いる。たしかに…する。きっと…する。 「冬は雪をあはれぶ。積もり消ゆるさま罪障にたとへべし/方丈記」 「この事かの事怠らず成じん/徒然 241
ある事実に対する確認の気持ちを表す。…た。 「真木柱太き心はありしかどこの我が心鎮めかねも/万葉集 190
(「…つ…つ」の形で)二つの動作・作用が同時にまたは継起して行われることを表す。…たり…たりする。 「僧都、乗つてはおり、おりてはのつ、あらまし事をぞし給ひける/平家 3」 「組ん組まれ、討ち討たれ、敵も御方みかたも隙のなきこそおもしろけれ/盛衰記 22」 〔 (1) 語源は、動詞「うつ(棄つ)」の「う」が脱落したものかという。 (2) 完了の助動詞「ぬ」とほぼ同じ意味・用法であるが、「つ」と「ぬ」との間には、次のような差異がみられる。ⓐ「つ」は他動詞に、「ぬ」は自動詞に付くことが多い。ⓑ「つ」は有意的動作を、「ぬ」は自然的作用を表す。 (3) の「…つ…つ」の用法は中世以降発達したもの。現代語では用法が固定化し、並立助詞として扱われる〕 → つ(並立助)

( 格助 )
体言または体言に準ずるものに付いて、連体修飾語をつくる。の。 「沖-鳥/古事記 」 「上-瀬/万葉集 3907」 「遠-神祖かむおや/万葉集 4096」 〔上代の語。ただし、上代でも用法はやや固定化しており、中古以降は「夕つ方」「まつげ」など、複合語中に残存形をとどめるだけになる〕

( 副助 )
〔くだけた言い方の話し言葉に用いられる。「っつ」の形でも用いられる〕
数量を表す語に付いて、同じ割合であることを表す。ずつ。 「百円-与える」 「みかんを二つっ-くばる」

( 並立助 )
〔完了の助動詞「つ」の終止形の用法から〕
動詞の連用形に付き、「…つ…つ」のように、「つ」を二つ重ねて用いられる。
(「…つ…つ」の後にサ変動詞「する」を伴って)継続的に繰り返される二つの動作・作用を並べあげるのに用いる。…たり…たりする。 「家の前を行き-戻り-する」
(「…つ…つ」の後に「する」以外の動詞がきて)下にくる動詞の表す動作・作用の連用修飾語として、二つの動作・作用を並べあげるのに用いる。 「しばらくはため-すがめ-、それを見ていた」 「見え-隠れ-、ずっと後をつけて行った」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


五十音図第4行第3段の仮名。平仮名の「つ」および片仮名の「ツ」は「川」または「州」からできたものかと考えられるが、未詳。万葉仮名では「都、川、追、通、屠、徒、豆、頭(以上音仮名)、津、管(以上訓仮名)」などが清音に使われ、「豆、頭、弩、(以上音仮名)」などが濁音に使われた(「豆、頭」は清濁両用)。ほかに草仮名としては「(徒)」「(津)」「(都)」などがある。
 音韻的には/cu/で、上歯茎と舌との間で調音する無声破擦音[ts]を子音にもつ。濁音は、東北、出雲(いずも)地方や四国、九州の一部などを除いて、ザ行のズと合一して[dz]を子音とする。表記上は主として「ず」を用いるが、連濁や同音連呼の第2音濁音化の場合には「づ」を用いる(「みかづき(三日月)」「つづく(続)」など)。[上野和昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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