デジタル大辞泉 「つ」の意味・読み・例文・類語
つ[助動]
1 動作・作用の完了したことを表す。…た。…てしまった。
「なよ竹のかぐや姫とつけつ」〈竹取〉
2 多く「てむ(てん)」「つべし」「つらむ」の形で、陳述の確認・強意を表す。きっと…する。確かに…する。
「
「このことかのこと怠らず成じてん」〈徒然・二四一〉
3 「…つ…つ」の形で、動作・作用が同時に、または繰り返し行われることを表す。
「飲みつ食いつ此時まで」〈逍遥・当世書生気質〉
「夜昼三日まで上げつ下しつ拷問せられけるに」〈太平記・一三〉
[補説]3は平安後期以降の用法。「つ」と「ぬ」の違いは、「つ」が多く他動詞に付き、動作の完了、意志的な完了を表すのに対し、「ぬ」は多く自動詞に付き、状態の発生、自然的な完了を表す傾向がある。また、「つ」は事実・状態を直接的に表現するのに対し、「ぬ」は事実・状態を傍観的に表現するという。→ぬ →たり →り
つ[格助]
「庭―
「
[補説]上代に用いられ、中古以後も「まつげ」「ときつかぜ」など複合語に残る。格助詞「の」に比べて用法が限られており、場所・位置に関する語に付くことが多く、時・性質などに関する語にも付く。