日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティンプー」の意味・わかりやすい解説
ティンプー
てぃんぷー
Thimphu
ヒマラヤ山脈東端の王国ブータンの首都。日本ではシンプーとも表記する。同国西部の標高2450メートルに位置し、ブラマプトラ川支流ウォン川の河川段丘を中心に開けた町である。人口3万5000(2003推計)。なお、ティンプー県全体の人口は9万8676(2005ブータン当局統計)。もとは静かな農村であったが、1962年首都に定められてから急速に近代化した。町の中心をなすタシチョ・ゾン(城)は昔の城を忠実に復原したもので、国王執務室、各省大臣室、国教である仏教の寺院、僧たちの居室など、100を超える部屋がある。国会もここで開かれる。城の近くに政府各部局の建物が並び、総合病院、野外競技場なども建設されている。インドとの間に自動車道路が通じる。近郊には、1627年につくられたシムトカ・ゾンなど、歴史的に重要な寺院、遺跡が多い。
[西岡京治・西岡里子]