インド亜大陸北東部にあるブータン王国の首都。別称ティンブーThimbu。人口8万(2005)。同国西部のブラフマプトラ川の支流ウォン川流域の小盆地にあり,標高約2400m。ブータンは一地点に首都を固定せず,国王の所在地をもって首都としてきたが,1962年にティンプーを恒久的な首都と定めた。かつては古い城とそのまわりに寒村があるにすぎなかったが,十五ヵ年計画でここに首都を建設することとなった。まず66年には諸官庁,宮殿,25のラマ教寺院を複合させた壮大なタシ・チョ・ゾン(城)が完成した。同城を中心に町づくりも進められ,3階建ての店舗住宅が街村状に並ぶバザールも建設され,新しいブータンの交易中心として成長しつつある。小水力発電所があるのみで,工業は手織布などの伝統的な手工業に限られている。南方のインドとの国境の町プンツォリンまでは自動車道路が通じ,また東方への自動車道路も建設中である。
執筆者:応地 利明
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ヒマラヤ山脈東端の王国ブータンの首都。日本ではシンプーとも表記する。同国西部の標高2450メートルに位置し、ブラマプトラ川支流ウォン川の河川段丘を中心に開けた町である。人口3万5000(2003推計)。なお、ティンプー県全体の人口は9万8676(2005ブータン当局統計)。もとは静かな農村であったが、1962年首都に定められてから急速に近代化した。町の中心をなすタシチョ・ゾン(城)は昔の城を忠実に復原したもので、国王執務室、各省大臣室、国教である仏教の寺院、僧たちの居室など、100を超える部屋がある。国会もここで開かれる。城の近くに政府各部局の建物が並び、総合病院、野外競技場なども建設されている。インドとの間に自動車道路が通じる。近郊には、1627年につくられたシムトカ・ゾンなど、歴史的に重要な寺院、遺跡が多い。
[西岡京治・西岡里子]
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