中期ビザンティン帝国の軍制ならびに地方行政組織。最初,属州に駐屯した軍団を指し,続いて駐屯が行われた属州の地方行政一般をも軍団司令官(ストラテゴスstratēgos)が兼掌するにいたったところから,その行政管轄下にある属州そのものを意味するにいたり,小アジア(アナトリア)から始まったテマ制が完成の域に達した9世紀末,全領土は,小アジアで14,バルカン,シチリア,南イタリアで12,クリミア半島南部で1のテマから成っていた。以後,征服地の拡大に伴ってテマが新設された。テマ制の起源をめぐっては,(1)ローマ帝国からの連続説,(2)対ペルシア戦争に際してのヘラクレイオス帝の創始説,(3)アラブの小アジア侵入への対抗措置として7世紀後半に漸次成立したとの説,がある。現在では(3)が有力で,それによれば,この時代のアラブの繰り返しての小アジア内部への侵入で生死の関頭に立たされたビザンティン帝国が,国境線での防衛一般を断念し,コンスタンティノープルを中心とする中枢部を守り抜くため軍団を小アジア全域に配置した。その際ディオクレティアヌス帝,コンスタンティヌス帝以来の軍民両政分離の大原則を放棄し,そこから当然予測される中央政府に対する革命の危険を冒して軍団司令官に大幅な独断専行権を与えることによってつくりあげたビザンティン帝国側の抵抗組織が,テマ制にほかならなかった。
執筆者:渡辺 金一
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西アフリカ、ガーナ南東部の港湾都市。人口22万5900(2001推計)。首都アクラの東北東27キロメートルに位置し、ギニア湾に臨む。1962年に開港したアフリカ最大の人工港がある。防波堤は5キロメートルに及び、12隻を収容する係船施設、タンカー用係船施設、ドックをもち、冷凍施設、水揚げ施設を備えた漁港が隣接している。また工業・住宅用都市としてテマ開発公社が開発にあたり、アルミ・化学工場、精油所、植物油精製工場、自動車組立て工場などがあり、ガーナの工業化の拠点となっている。アクラから鉄道が通じる。
[中村弘光]
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… 古代ローマ帝国から受け継がれた国家行政機構(その起源は,共和政の共同体的役職(マギストラトゥス)よりは,元首政下で皇帝がつくりあげた家産的な役職に発する)は,時代の変化に柔軟に順応した。その代表的事例がテマ制である。ディオクレティアヌス帝は,属州駐屯の諸軍団が相次いで革命を起こし,それぞれの司令官を皇帝に推戴した3世紀の教訓にかんがみて,軍民両政を分離するとともに,従来の属州単位を細分化した。…
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