日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディスインフレーション」の意味・わかりやすい解説
ディスインフレーション
でぃすいんふれーしょん
disinflation
物価上昇率が低くなり、インフレーションの進行が抑えられている状態、およびそのような経済状態にするためにとられる方策のこと。たとえば物価上昇が年率10%を示すなど激しいインフレが続いている経済状況において、中央銀行が通貨供給の引締めを行うなどの金融政策によってインフレ率を抑制することに成功したようなケースをさす。ただし、インフレ率を抑制するとはいっても年率2%程度のインフレが続き、物価が下落するデフレーションにまではなっていない状況が、ディスインフレーションである。1990年代のバブル経済崩壊後の日本経済は、長らくこのディスインフレーション状態にあった。しかし、ディスインフレーションが続くなかでも日本銀行が通貨供給の引締めを続けたことで、日本経済は物の価格が下落するデフレ経済へと変化した。
[編集部]