日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディモフ」の意味・わかりやすい解説
ディモフ
でぃもふ
Dimitar Dimov
(1909―1966)
ブルガリアの作家。陸軍将校の家に生まれ、早くから芸術、自然科学、語学に才能をみせた。南米へ行ってスペイン語と家畜解剖学を生かそうと望んだが果たせず、国内各地で獣医として働き、のちスペインに留学した。1953年ソフィア大学獣医学部の教授となり、研究論文も多く発表している。文学活動では、長編『ベンツ中尉』(1938)を皮切りに、戯曲『アルコ・イリスでの休息』(1963)、短編、旅行記など多くの作品を著し、ブルガリア作家同盟会長、バルカン作家同盟理事会会長も務めた。話題をさらった長編小説『タバコ』(1951)でディミトロフ賞を受賞。
[真木三三子]