デジタル大辞泉 「とて」の意味・読み・例文・類語
とて[格助・接助・係助]
1 引用を表す。…といって。…と思って。「山に登る
「この名しかるべからず―、かの木を
2 事物の名称、役職名などを表す。…という名で。…といって。
「新三位中将資盛卿、その時はいまだ越前守―十三になられけるが」〈平家・一〉
[接助]活用語の終止形、助詞などに付く。打消し・反語の意の表現を伴って、ある条件を述べそれが順当な予想に反する結果を生じることを表す。…としても。…といっても。「言った
[係助]名詞または名詞に準じる語に付く。
1 ある事物が、例外でなく他の一般の場合の中に含まれることを表す。…だって。…でも。「私
2 下の動作の根拠を提示する意を表す。「子供のこと
[補説]語源については、格助詞「と」に接続助詞「て」の付いたものとする説や、断定の助動詞「たり」の連用形に接続助詞「て」の付いたものとする説などがある。の場合、多く「こととて」の形で用いられるが、理由を表す接続助詞とする扱いもある。