トリム(読み)とりむ(英語表記)trim

翻訳|trim

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリム」の意味・わかりやすい解説

トリム
とりむ
trim

スポーツや身体活動を通して、身心を調整し、健康の保持増進を図る普及運動。トリム原義は船のバランスを保つというノルウェー語。転じて現代人の心身のバランス回復を意味する。1967年にノルウェーのパウ・モアが提唱し、ノルウェー・スポーツ連盟によって始められた。翌68年には北欧諸国が実施、70年に西ドイツがこの運動に取り組み、以後ヨーロッパ各国をはじめ、世界に広がった。1973年にはフランクフルトで第1回トリム国際会議が開かれた。日常生活のなかにおいて、自発的にスポーツや身体活動を実践し、健康で明るい生活を行う趣旨で、西ドイツでは「スポーツによって、あなた自身をトリムしよう」と呼びかけ、いつでも、どこでも、だれでも、手軽に、自由に行う身体活動を奨励した。一流選手養成に目的を置かず、日常生活のなかで身体活動を積極的に行うことに意義を認めている。

[太田昌秀]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリム」の意味・わかりやすい解説

トリム
trim

船舶用語で,船の前後傾斜のこと。船首喫水と船尾喫水の差で表わす。船首喫水が船尾喫水より大きいときを船首トリム,逆のときを船尾トリム,同じときを平脚 (ひらあし) または等喫水と呼ぶ。貨物燃料積載の状態により,船内重量が前後に移動し,船の重心浮心が前後に変るので,トリムが変化する。トリムは船の耐航性に重要な要素となっている。

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