ドイツ民法典(読み)ドイツみんぽうてん(英語表記)Bürgerliches Gesetzbuch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ民法典」の意味・わかりやすい解説

ドイツ民法典
ドイツみんぽうてん
Bürgerliches Gesetzbuch

略称 BGB。 1896年公布,1900年1月1日から施行されたドイツの民法典。すでに 1814年,統一的法典制度の可否をめぐり,A.チボーと F.サビニーとの間に法典論争が展開されたが,この争いは,88年に民法典の第1草案が公表された機会に,再び表面に現れ,O.ギールケは,この草案に対し,あまりにローマ法的であってゲルマン法を無視したものであるとの非難を加えた。その後,この草案は修正を重ね,第2,第3草案を経て成立するにいたった。総則債権,物権,親族相続の5編から成り,その内容はパンデクテン法学の影響によるものが多いが,ゲルマン法固有の制度に由来するものも少くない。論理的に明快な構造と鋭い概念構成を有し,抽象的な一般規定から成り,当時の最も進歩的な法典として諸外国の立法と法律学に大きな影響を与えた。日本民法典も,このドイツ民法典の第1草案にならった点が多い。ドイツ民法典の規定の大部分は東,西両ドイツで第2次世界大戦後もそのまま存続していたが,主として家族法分野では,両ドイツとも変更を加え,西ドイツでは,1961年8月 11日の「家族法変更法」によって,主として夫婦問題について大幅な改正が行われた。なお統一後は,基本的に旧西ドイツ民法典がドイツ全土に適用されている。

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