1994年に登録、2005年に登録内容が変更されたスペインの世界遺産(自然遺産)。同国南部、アンダルシア地方の南から南西部にあるウエルバ県、セビリャ県、カディス県にまたがる国立公園である。アンダルシア地方を流れるグアダルキビル川河口の三角州に位置し、面積507.2km2、スペイン最大規模の国立公園である。公園内には湿原地帯、沼地のほか、ラグーン(潟湖(せきこ))やサンゴ礁、砂丘地帯、コルクの木やオリーブの木の雑木林など多様な自然環境が残り、ヨーロッパの野生動物の最後の楽園といわれるほど、手つかずの豊かな生物相が残されている。この湿地やラグーンは、カモ、フラミンゴなどを中心とした50万羽以上の水鳥たちが訪れる越冬地で、アナウサギ、イベリアオオヤマネコ、マングース、カタジロワシなどが生息している。ここはヨーロッパ最大級の自然保護区になっており、生物圏保護区(ユネスコの「人間と生物圏(MAB)計画」による指定保護区)やラムサール条約湿地にもなっている。◇英名はDoñana National Park