ナエウィウス(読み)なえうぃうす(英語表記)Gnaeus Naevius

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナエウィウス」の意味・わかりやすい解説

ナエウィウス
Naevius, Gnaeus

[生]前270頃.ローマ?
[没]前201頃.ウティカ
ローマの詩人劇作家。高官たちを作品中で攻撃したために投獄され,護民官の力で釈放されたが国外に追放され,北アフリカで客死。トロイ伝説に取材した悲劇,ギリシア式の喜劇 (パリアタ劇 ) ,ローマの生活に取材した喜劇 (トガタ劇 ) を書いたほか,ローマ歴史劇 (プラエテクスタ劇 ) を創始した。サトゥルヌス詩体の国民的叙事詩『ポエニ戦役』 Bellum Punicumはエンニウスウェルギリウスに多大の影響を与えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナエウィウス」の意味・わかりやすい解説

ナエウィウス
なえうぃうす
Gnaeus Naevius
(前270ころ―前201ころ)

古代ローマの詩人。第一次ポエニ戦争に従軍後、劇作を始める。ギリシア悲・喜劇の翻案を発展させ、真にローマ的な史劇を創造したが、政治家を批判したため投獄、追放された。劇作家としてはプラウトゥス基礎を築き、叙事詩『ポエニ戦役』はエンニウス、ウェルギリウスに影響を与えた。今日、43の作品の題名と断片200余行が残る。

[土岐正策]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android