ナフトキノン(読み)なふときのん(英語表記)naphthoquinone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナフトキノン」の意味・わかりやすい解説

ナフトキノン
なふときのん
naphthoquinone

ナフタレン環骨格をもつキノン。3種の異性体がある。いずれもキノン特有の色をもっている結晶である。1,4-ナフトキノン誘導体動物色素として天然に分布している。単にナフトキノンというと1,4-ナフトキノンをさす。ナフトキノン系染料やビタミンKも1,4-ナフトキノンの骨格をもっている。1,2-ナフトキノンは赤色の結晶で有毒である。ディーゼルエンジン排気ガスに含まれている。2,6-ナフトキノンは不安定で、溶液中ではすぐに分解する()。

[廣田 穰 2015年3月19日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナフトキノン」の意味・わかりやすい解説

ナフトキノン
naphthoquinone

通常は 1.4-ナフトキノンをさすが,このほかに 1.2-ナフトキノンもある。化学式 C10H6O2 。 (1) 1.4-ナフトキノン 黄色の結晶で,融点 126℃。 100℃以下で昇華する。 (2) 1.2-ナフトキノン 黄金色の結晶。分解点 145~147℃。いずれのナフトキノンも皮膚に対して刺激性がある。

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