ナブコ(読み)なぶこ(英語表記)Joaquim Nabuco

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナブコ」の意味・わかりやすい解説

ナブコ
なぶこ
Joaquim Nabuco
(1849―1910)

ブラジル外交官、奴隷解放運動家。同国北東部のレシフェで生まれ、リオ・デ・ジャネイロ、サン・パウロ、レシフェで法学を学んだ。1876年外交官となり、ワシントンロンドンで勤務したのち、78年帰国してペルナンブコ州代表の下院議員に選出された。議会では雄弁を振るい、無条件の奴隷制廃止、非カトリック教徒の国会議員選出、直接選挙制などを主張した。次の選挙で落選し、ロンドンに渡り奴隷制廃止協会に加入し『奴隷解放論』を執筆、出版した。84年帰国し、ふたたび下院議員に選出され奴隷制廃止のため尽力した。88年の黄金令によって奴隷制が廃止され、また翌年の共和革命で彼の支持した帝政が崩壊すると、政治から引退し著作に専念した。晩年には外交官として国境紛争の解決に貢献した。

[山田睦男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナブコ」の意味・わかりやすい解説

ナブコ

鉄道用,自動車用ブレーキの大手会社。1925年に日本エヤーブレーキとして創業。1943年日本制動機に改称,1946年再び日本エヤーブレーキとする。1992年ナブコに改称。エアブレーキほかに油圧バルブ,船舶用リモコン装置の制御システム,建物用自動ドア,立体駐車装置,流体制御装置等も製造,販売した。2003年帝人製機とともに持株会社ナブテスコを設立し,完全子会社となる。2004年ナブテスコに吸収合併された。

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