日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナンキンハゼ」の意味・わかりやすい解説
ナンキンハゼ
なんきんはぜ / 南京櫨
[学] Triadica sebifera (L.) Small
Sapium sebiferum (L.) Roxb.
トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の落葉高木。高さ10~15メートル。樹皮は灰褐色、初めは平滑である。葉は互生し、卵状菱(ひし)形で長さ4~7センチメートル、先は尾状にとがり、全縁、やや革質で葉脈は突出しない。葉柄は長さ4~6センチメートル、上部の葉身との間に2腺点(せんてん)がある。雌雄同株。6~7月、枝先に長さ5~15センチメートルの総状花序をつくり、花弁のない小さな黄色花を開く。雄花は花序の上部に多数つき、雌花は基部に数個ある。果実は扁球(へんきゅう)形の蒴果(さくか)で長さ約1センチメートル、幅1.5センチメートル、3稜(りょう)があり、3室にそれぞれ種子が1個入っている。11月ころ黒褐色に熟し、3裂して種子を現す。種子は広卵形で長さ約7ミリメートル、蝋質(ろうしつ)白色の種衣に包まれる。中国原産。紅葉が美しく、暖地の街路樹、公園樹に植栽され、種子から蝋や乾性油をとる。
[小林義雄 2020年6月23日]