ニュー・ブリテン島(読み)にゅーぶりてんとう(英語表記)New Britain

翻訳|New Britain

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニュー・ブリテン島」の意味・わかりやすい解説

ニュー・ブリテン島
にゅーぶりてんとう
New Britain

パプア・ニューギニア北東部、ビスマーク諸島中最大の島。面積3万6500平方キロメートル、人口40万4641(2000)。行政的には東ニュー・ブリテンおよび西ニュー・ブリテンの2州に分かれる。行政中心地はそれぞれラバウルおよびキンベKimbe(人口1万4656、2000)。東西約600キロメートルにやや弓なりに延びる島で、北岸に活火山が連なり、地震も多い。最高峰ウラウンUlawun山(別名ファーザー山。2290メートル)も活火山。年降水量は北東部を除く大部分で3000ミリメートルを超え、とくに南岸では5000ミリメートルを超える。

 同国屈指の森林資源をもち、木材生産量は全国の3分の1以上に達し、日本などに輸出される。沿岸一帯は農業に利用されるが、とくに北東部のガゼル半島地区に農業生産が集中し、生産だけでなく、流通面にもパプア・ニューギニア人の進出が著しい。伝統的作物の中心はタロイモで、北東部ではこれにココヤシバナナが加わる。主要商品作物はココアとココヤシで、ココアおよびコプラの生産量はともに全国の3分の1余りを占める。1972年から、中部で政府主導プロジェクトによるアブラヤシ栽培が始まった。

 1700年、イギリス人ダンピアが、ニューギニア島と別個の島であることを確認して命名した。1767年、イギリス人カートレットが、ニュー・アイルランド島との間の海峡を確認した。1884年から第一次世界大戦まではドイツ領で、その間はノイ・ポンメルンNeu-Pommernとよばれた。第二次世界大戦中の1942年(昭和17)日本軍が占領、ラバウルに海軍基地が置かれた。ドイツ領になって以来、プランテーション経営の歴史をもつ。

[谷内 達]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニュー・ブリテン島」の意味・わかりやすい解説

ニューブリテン島
ニューブリテンとう
New Britain

パプアニューギニア東部,ビスマーク諸島最大の島。ファーザー (ウラウン) 山 (2300m) はじめ火山が多い。行政上東西の2県に分れているが,東部が人口の3分の2を占め,経済的にも開発が進んでいる。特にラバウルを中心とするガゼル半島への集中が著しい。自給作物としてタロイモを栽培するほか,商品作物として東部ではココヤシ,カカオ西部ではアブラヤシ,ココヤシを栽培。面積3万 6500km2。人口 26万 3500 (1989推計) 。

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