ラバウル(読み)らばうる(英語表記)Rabaul

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラバウル」の意味・わかりやすい解説

ラバウル
らばうる
Rabaul

パプア・ニューギニア北東部、ニュー・ブリテン島北東端の都市。人口1万6100(2001推計)。同島のみならず、ビスマーク諸島の中心都市で、航路、航空路が集中するが、広域中心都市としての役割は、ニューギニア島東岸のラエの成長に比べてやや相対的に低下気味である。背後のガゼルGazelle半島地区は、同国のプランテーション発祥の地で、1880年代以来の長い植民地支配の歴史をもつが、現在は住民の進取性もあって、協同組合方式など積極的な経済活動で知られている。第一次世界大戦まではドイツ領ニューギニア、その後はオーストラリア委任統治領ニューギニアの行政中心地であり、第二次世界大戦では日本軍に占領され、その拠点となった。1937年の火山噴火と大戦によって破壊されたが、戦後復興した。94年9月に市の南部にあるタブルブル火山とブルカン火山が相ついで噴火、市は壊滅的な損害を受けた。

[谷内 達]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラバウル」の意味・わかりやすい解説

ラバウル
Rabaul

パプアニューギニア東部,ニューブリテン島北東端の都市。東ニューブリテン県 (面積1万 5500km2。人口 18万 4408〈1990〉) の県都。熱帯気候に属し高温多雨で,貿易風の影響を受けて5~10月に雨量が多い。 1910年ドイツ領ニューギニア植民地の首都として建設され,ドイツ領,オーストラリア領時代を通じて政庁の所在地として発展。北方に多くの活火山があり,37年と 41年の2回にわたる大噴火で町は破壊され,政庁はラエに移転した。良港があり第2次世界大戦中は日本海軍飛行隊の重要基地がおかれ,アメリカ軍の爆撃により廃虚化した。現在ではビスマーク諸島の行政,交通の中心。コプラ,カカオなどを輸出する。コプラ加工工場のほか各種の軽工業がある。人口1万 7022 (1990) 。

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