太陽系外縁天体を調べるために、米航空宇宙局(NASA)が2006年1月に打ち上げた無人探査機。7種類の観測装置を搭載する。07年に木星付近を通過、15年に冥王星に約1万2500キロまで接近し、冥王星の鮮明な画像を撮影した。ウルティマトゥーレは14年に発見され、新たな探査の対象に決まった。現在、ニューホライズンズよりはるか遠くをNASAの探査機ボイジャー1号と2号が飛行しているが、それぞれ土星と海王星を探査した後は天体への接近観測はしていない。(共同)
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)が2006年1月にアトラスⅤロケットで打ち上げた冥王星(めいおうせい)探査機。冥王星と、その衛星カロンの詳細な探査を目的とする。冥王星にはこれ以前、探査機が接近していないため、これが世界初の冥王星探査機である。大きさは約0.7メートル×2.1メートル×2.7メートルで、質量は推進薬を含み約465キログラム。発射後約9時間で月軌道(地球から約38万キロメートル)を通過し、13か月後に木星をスイングバイ(天体の万有引力を利用して衛星の加速と軌道変更を行う技術)して冥王星に向かった。2009年12月には地球と探査機の距離が24億6300万キロメートルに達し、冥王星までの中間点を通過した。2015年1月には冥王星の観測を開始した。その後、一時セーフモード(休眠モード)に入るなどのアクシデントもあったが、探査は続行された。ニュー・ホライズンズには冥王星大気の組成と構造を調べる多波長撮像装置、モノクロとカラーの可視光カメラ、冥王星とカロンの大気の温度、圧力、密度を測定する電波科学実験装置、太陽風測定装置などが搭載された。これらの観測機器のほかに、星条旗、世界中から応募があった約43万人の名前が記録されたCD-ROM、民間初の宇宙船スペースシップワンSpaceShipOneの機体の破片、冥王星の発見者であるアメリカの天文学者クライド・トンボーの遺灰が搭載された。2015年7月には冥王星および冥王星の衛星カロンなどの近接撮影および観測を行った。その観測で、クレーターの少ない比較的新しい地形が多数発見され、いまだ地質活動中であることがわかった。冥王星軌道を通過した後、ニュー・ホライズンズによる、さらに別の太陽系外縁天体の探査が計画されている。目標となる天体は、日本のすばる望遠鏡も参加して複数の候補があげられ、2015年8月に観測候補として「2014 MU69」が選ばれたと発表された。
ニュー・ホライズンズは、史上初めて冥王星および太陽系外縁天体を探査することから、「新しい地平を拓(ひら)く探査機」を意味する名称となった。
[森山 隆 2017年4月18日]
(2015-1-20)
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