デジタル大辞泉
「ねば」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
Sponserd by 
ね‐ば
- ( 打消の助動詞「ず」の已然形に接続助詞「ば」の付いたもの )
- ① 打消の順接確定条件を表わす。…ないので。…ないから。
- [初出の実例]「淡海(あふみ)の海(み) 瀬田の渡りに かづく鳥 目にし見え泥麽(ネバ) いきどほろしも」(出典:日本書紀(720)神功摂政元年三月・歌謡)
- 「ことしこそなりはひにも頼むところ少なく、田舎(ゐなか)のかよひも思かけねば、いと心細けれ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
- ② 打消の恒常的条件を表わす。…ないと。…ないとかならず。
- [初出の実例]「たけばぬれたか根者(ねば)長き妹が髪このころ見ぬにかき入れつらむか」(出典:万葉集(8C後)二・一二三)
- 「世にしたがへば、身くるし。したがはねば、狂せるに似たり」(出典:方丈記(1212))
- ③ ( 近世以後の用法 )
- (イ) 打消の仮定条件を表わす。…ないなら。…ないうちは。また、「ねばならぬ」などとつづけて、義務・当然の意を表わす場合もある。→ねばならぬ。
- [初出の実例]「返事を聞かねば帰りませぬ」(出典:歌舞伎・夕霧七年忌(1684))
- (ロ) 否定的な事柄の並列を表わす。…ないし。
- [初出の実例]「画であり詩である以上は地面を貰って、開拓する気にもならねば、鉄道をかけて一儲けする了見も起らぬ」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)
- ④ 打消の逆接的条件を表わす。上代に多い用法。まだ…ないでいるうちに。…ないのに。→補注。
- [初出の実例]「太刀が緒も いまだ解かずて 襲(おひ)すをも いまだ解か泥婆(ネバ)〈略〉青山に 鵼(ぬえ)は鳴きぬ」(出典:古事記(712)上・歌謡)
ねばの補助注記
④の用法は、全くの逆接ではなく、「ば」が、順接の接続助詞として固定する以前の、已然形のはたらきを強調するものとして添えられた用法のなごりとみることができる。多く「…も…ねば」の形で用いられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
Sponserd by 