鼻音唱法。口を軽く閉じて「m」「n」「nŋ」などの音でもって歌詞なしの旋律だけを歌う。鼻歌は歌詞を伴うことがあるので、同義語とは限らない。いずれにせよ、人が気分のよいときに発声器官の筋肉を緩めて自然に歌うので、音量は小さく、他人に聴かせるのが目的ではない。管楽器以外の旋律楽器を演奏するときに、無意識にハミングで歌う人もときおりみかける。発声練習の一方法として行われるほか、その特殊な響きを利用して、オペラではベルディの『リゴレット』やプッチーニの『蝶々(ちょうちょう)夫人』の合唱に使われているのをはじめ、ジャズ・ボーカル、楽曲終止など、意識的にハミングを導入している例も多い。
[山口 修]
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