作家。山形県鶴岡(つるおか)市に生まれる。東京大学英文科卒業。新進の英文学者としてG・グリーン『不良少年』、J・ジョイス『ユリシーズ』(共訳)などを訳出し注目される。作家としては、ジョイスの手法に範をとった『エホバの顔を避けて』(1960)によって認められる。以後、『笹(ささ)まくら』(1966)では思想的主題を同じ手法を継承して描き、独自の世界を確立する。また『にぎやかな街で』(1967)、『年の残り』(1968。芥川(あくたがわ)賞受賞)などに続いて、長編『たった一人の反乱』(1972。谷崎潤一郎賞受賞)、『裏声で歌へ君が代』(1982)、『樹影譚(じゅえいたん)』(1988。川端康成文学賞受賞)、『女ざかり』(1993)などの小説のほか、『後鳥羽(ごとば)院』(1973。読売文学賞受賞)、『忠臣蔵とは何か』(1986。野間文芸賞受賞)、そして『遊び時間』(1976、1980、1984)、『現代のエッセイ 夜明けのおやすみ』(1984)、『エッセイ・大人の時間 遊びなのか学問か』(1985)といったエッセイ集などがある。1998年(平成10)日本芸術院会員。2006年文化功労者。
[金子昌夫]
『『後鳥羽院』(1973・筑摩書房)』▽『『丸谷才一批評集』全6巻(1995~1996・文芸春秋)』▽『『恋と女の日本文学』(1996・講談社)』▽『『闊歩する漱石』(2000・講談社)』▽『『エホバの顔を避けて』(中公文庫)』▽『『笹まくら』(新潮文庫)』▽『『年の残り』(文春文庫)』▽『『たった一人の反乱』上下(講談社文庫)』▽『『裏声で歌へ君が代』(新潮文庫)』▽『『樹影譚』(文春文庫)』▽『『女ざかり』(文春文庫)』▽『『忠臣蔵とは何か』(講談社文芸文庫)』
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(2012-10-17)
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