日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリネズミ」の意味・わかりやすい解説
ハリネズミ
はりねずみ / 針鼠
hedgehog
広義には哺乳(ほにゅう)綱食虫目ハリネズミ科ハリネズミ亜科に属する動物の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この亜科Erinaceinaeの仲間は、ユーラシアとアフリカに分布し、ハリネズミ属Erinaceus、オオミミハリネズミ属Hemiechinus、インドハリネズミ属Paraechinusの3属に12種がある。体はずんぐりとし、背面には堅い針状毛をもつ。尾は痕跡(こんせき)的。手足は頑丈で強大なつめをもつ。歯式は
で合計36本。平地の農耕地、低木林、草原などにすみ、地上性、雑食性で、温帯に分布するものは冬に冬眠する。
狭義のハリネズミとよばれる種はナミハリネズミE. europaeusで、頭胴長23~32センチメートル、耳は短く、四肢も短い。顔面、四肢、下面などを除いた、背面や体側は針状毛で覆われる。夜行性で、昆虫、ミミズ、トカゲ、ヘビ、果実などを食べる。土中につくった巣穴で春と秋に3~7子を産む。子は1年で成熟する。
[阿部 永]