日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハーリ・ヤーノシュ」の意味・わかりやすい解説 ハーリ・ヤーノシュはーりやーのしゅHáry János ハンガリーの作曲家コダーイの六曲からなる管弦楽組曲(作品15)。1926年にブダペスト歌劇場で初演された同名の舞台作品から、作曲家自身が抜粋・編集したもの。ハーリ・ヤーノシュとはハンガリーの民話に出てくるドン・キホーテ的な人物のことである。彼はナポレオンと戦ったことやフランツ皇帝の妃との恋など、ありもしない物語を人々に語って聞かせる。このおとぎ話を、コダーイは色彩感あふれる管弦楽法で描写した。その華やかな効果もさることながら、作品の簡潔にして精密な構造は、彼が西欧の過去および同時代の作曲技法に通暁していたことを物語っている。[三宅幸夫] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例