イスラム最大の天文学者の1人。ラテン名はアルバテグニウスAlbategnius。メソポタミアのハラン出身。K・プトレマイオスの『四書』Tetrabiblosの注釈書も含め多数の著書があるが、その主著は、ラテン語訳のある星表のついた『星の知識について』De scientia stellarumと、ルネサンスまで影響を及ぼした『星の数と運動について』De numeris stellarum et motibusである。この2書に、彼が877年以来多数の観測を行ったこと、880年に星表を編集し、天文学上の種々な係数を非常に精確にしたこと、太陽の遠地点運動を発見したことなどを書いている。また、そうした天文計算のための三角法の概要が記述されているが、そこでは単に正弦だけでなく正接と余接も正式に使用されている。
[平田 寛]
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858頃~929
イスラームの天文学者。シリア生まれ。ラテン名アルバテニウス。プトレマイオスの占星書の注釈をはじめ多数の著書があるが,その天文書はラテン語訳,スペイン語訳されて広くヨーロッパで読まれた。正弦関数のほかに,正接・余接関数にあたるものを見出し,天文学上多くの理論を生み出した。
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…ペルシアやシリアやインドから優れた学者がこのアッバース朝の首都に雲集し,多くの第一級の科学文献がギリシア語やシリア語からアラビア訳され,アラビア科学は華やかに咲きいでた。ギリシア科学の精華の大部分を翻訳したフナイン・ブン・イスハークやサービト・ブン・クッラをはじめ,アラビア錬金術の祖であるジャービル・ブン・ハイヤーンやアラビア代数学の出発点をつくったフワーリズミー,正確な観測によりルネサンスにいたるまで西欧天文学にも大きな影響をもったバッターニー,さらにはイスラム圏のみならず,中世全体を通じて最大の臨床医家だったラージーなどが,この期に属する代表的な学者である。 第2の〈全イスラム期〉では,かつてアッバース家によって滅ぼされたウマイヤ朝の王族がスペインに逃れて建てた後ウマイヤ朝においてしだいに文化が興隆し,その勢いは東イスラム圏と覇を競うほどになり,さらにエジプトではファーティマ朝が栄え,ここでも大いに科学文化が振興された。…
…アブー・マーシャルAbū Ma‘shar(ラテン名アルブマサルAlbumasar。787‐886)やバッターニーが特に有名で,その占星術書は12世紀ころからラテン語訳されてヨーロッパにも知られるようになった。そして15世紀のルネサンスとともに再びヨーロッパに本格的に導入され,隆盛を迎える。…
※「バッターニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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