バライタ紙(読み)バライタし(英語表記)baryta paper

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バライタ紙」の意味・わかりやすい解説

バライタ紙
バライタし
baryta paper

写真用に特別につくった用紙にバライタ層を塗布,乾燥させた印画紙原紙。バライタ層は,感光乳剤の下引層であり,印画紙表面の反射を増し,乳剤が原紙の繊維内にしみこむのを防ぐ。硫酸バリウム(バライタ,バリタ)の白色結晶をゼラチン液に分散させて,硬膜剤とともに,10~25μmの厚さで塗布したもの。結晶の大小から,紙面に無光沢,光沢の別ができる。また表面の絹目などは,ローラの型押しによる。高純度の木部繊維またはぼろを使用し,印画の完成を妨げる不純物や,乳剤および現像剤,定着剤などを変質させる物質を含まないこと,また耐酸性,耐アルカリ性,耐水性,不伸縮性をもつことなどが必要である。今日では,フィルムによる作品制作や,長期保存を目的としたアーカイバルプリントに用いられることが多い。(→印画紙

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