バルトリド(その他表記)Vasilii Vladimirovich Bartol'd

デジタル大辞泉 「バルトリド」の意味・読み・例文・類語

バルトリド(Vasiliy Vladimirovich Bartol'd)

[1869~1930]ソ連東洋学者。中央アジアおよび西アジアイスラム世界歴史地理考古民俗言語の諸分野ですぐれた業績を残した。著「モンゴル侵入期のトルキスタン」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「バルトリド」の意味・わかりやすい解説

バルトリド
Vasilii Vladimirovich Bartol'd
生没年:1869-1930

ロシアの東洋学者。1901年ペテルブルグ大学教授,13年アカデミー会員となる。中央アジア・西アジアの歴史,地理,考古,民族,言語の諸分野とロシア人の東洋学研究史の分野で画期的な業績を残す。主著《モンゴル侵入期のトルキスタン》をはじめとする膨大な著作は《著作集》9巻(1963-77)に収められ,またその主要論文は英語,ドイツ語,フランス語等の諸国語に翻訳されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルトリド」の意味・わかりやすい解説

バルトリド
ばるとりど
Василий Владимирович Бартольд/Vasiliy Vladimirovich Bartol'd
(1869―1930)

ロシアの中央アジア史・トルコ民族史学者。ペテルブルグ大学イスラム学教授、ロシアおよびソ連邦科学アカデミー会員。アラビア語ペルシア語トルコ語などに精通し、サマルカンドの発掘などの現地調査にも従事した。イスラム史料を駆使した実証的研究に先鞭(せんべん)をつけた1人で、代表作の『モンゴル侵入時代までのトルキスタン』(1898~1900)は、この分野における記念碑的名著で、現在でもその価値は失われていない。ほかに『中央アジア史に関する四つの論考』『中央アジアのトルコ民族史』『ムスリム文化』『ヨーロッパおよびロシアにおける東洋学の歴史』などの多数の業績がある。

[清水宏祐]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「バルトリド」の解説

バルトリド
Vasilii Vladimirovich Bartol'd

1869~1930

ロシアの東洋学者,科学アカデミー会員。中央アジア史,イスラーム史の研究に優れた業績をあげた。ペルシア語,トルコ語,アラビア語などの原典史料の精査にもとづいた『モンゴル侵入期のトルキスタン』や『ウルグベグとその時代』などは現在も価値を失わず,その膨大な著書・論文は『著作集』(全9巻,10冊)に収められている。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

百科事典マイペディア 「バルトリド」の意味・わかりやすい解説

バルトリド

ソ連の東洋学の権威。近東・中央アジアの研究にすぐれ,東洋の古語古文書に精通。革命後も科学アカデミーの東洋学に指導的役割を果たした。400編に及ぶ著作は9巻の著作集に収められている。主著《モンゴル侵入期のトルキスタン》《ヨーロッパおよびロシアにおける東洋研究史》など。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android