パウルゼン(読み)ぱうるぜん(その他表記)Friedrich Paulsen

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パウルゼン」の意味・わかりやすい解説

パウルゼン
ぱうるぜん
Friedrich Paulsen
(1846―1908)

ドイツ哲学者倫理学者、教育学者。ベルリン大学教授。フェヒナーの影響を受けた心霊主義的、有機的宇宙論哲学のうえに、カントショーペンハウアーなどをも発展的に継承しようと試みた。新カント派論理主義の陰に隠れて、傍流心理主義とみなされがちだが、彼の思想はむしろ生の哲学の一形態、あるいはフランスの新心霊主義やイギリス新理想主義に平行する動きとして再評価されるべきであろう。

[坂部 恵]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パウルゼン」の意味・わかりやすい解説

パウルゼン
Paulsen, Friedrich

[生]1846.7.16. ランゲンホルン
[没]1908.8.14. ベルリン
ドイツの哲学者,教育学者。 1878年ベルリン大学助教授,93年同大学教授。 B.スピノザ,I.カント,G.フェヒナー,W.ブントの影響を受けた。倫理学を哲学の根本とし,形式的倫理学に対して「活動主義」の立場に立った。教育学的には実学主義の立場に立ち,ドイツの教育界,教育制度に与えた影響は大きい。主著中世から現代までのドイツの学校教育と大学教育の歴史』 Geschichte des gelehrten Unterrichts auf den deutschen Schulen und Universitäten vom Ausgang des Mittelalters bis zur Gegenwart (2巻,1885~96) ,『倫理学大系』 System der Ethik (2巻,89) ,『哲学概論』 Einleitung in die Philosophie (92) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「パウルゼン」の意味・わかりやすい解説

パウルゼン
Friedrich Paulsen
生没年:1846-1908

ドイツの哲学者,教育学者。ベルリン大学教授として,19世紀末のドイツ思想界で活躍した。彼は,世界の根拠を〈精神〉とし,その自己顕現を現実世界とみるドイツ観念論伝統に立つ。そしてその顕現のための活動(教養)としての人間の歴史的生(文化)の完成を説いて,科学と産業の実利主義に脅かされはじめたドイツのなかで〈精神〉を擁護した。おもな著書は《倫理学体系》(1889),《哲学入門》(1892),《教育学》(1909)など。
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百科事典マイペディア 「パウルゼン」の意味・わかりやすい解説

パウルゼン

ドイツの哲学者,教育学者。ベルリン大学教授。著作は《倫理学体系》(1889年),《哲学入門》(1892年),《教育学》(1909年)など。

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