パリティ指数(読み)ぱりてぃしすう(英語表記)parity index number

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パリティ指数」の意味・わかりやすい解説

パリティ指数
ぱりてぃしすう
parity index number

購買力のパリティ(つり合い)関係を示す指数。通常、農業パリティ指数と同義に用いられるが、そのうち農家支払い指数そのものをさすことが多い。農産物価格の支持政策や公定政策が行われる場合に、その目標とする価格の決定基準として用いられる。農家支払い指数(農業パリティ指数)は、農家がその生産および生活のために購入する財貨やサービスの変動を示すもので、一種物価指数であるが、基準時、ウェイト、算式などに存在する一般的問題に加えて、農家の経済という特殊事情から、採用する品目について特別の考慮が払われる。一般物価の上昇にスライドさせて農産物価格を算出する方法をパリティ計算といい、基準年次の価格にこの農業パリティ指数を乗じて計算される。

高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パリティ指数」の意味・わかりやすい解説

パリティ指数
パリティしすう
parity index

生産物の価格指数とその生産者の購入品 (生活品,生産資材など) の価格指数との比率をいう。一般には農業パリティ指数をさす。農業パリティとは基準年次を 100として,価格決定時の農家の生活上および経営上の購入物資の総合価格の騰落を指数化したもので,各品目の価格変動率をとり,品目別に基準年次の購入量を乗じて加重平均する。 1933年にアメリカで農産物価格の決定に適用されたのが最初で,日本でも 60年に「生産費および所得補償方式」に切換えられるまでは米の生産者価格を決定する際に用いられたことがある。近年麦価のみに使用されている。なお,基準年次の価格に単純にパリティ指数をかけあわせ,生産者が購入する生産資材の価格の変動にスライドさせて算定する方法を価格パリティという。また,農家と非農家の消費水準の上昇率の均衡をはかる要素を加味したものを所得パリティという。

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