パーカライジング(その他表記)parkerizing

デジタル大辞泉 「パーカライジング」の意味・読み・例文・類語

パーカライジング(parkerizing)

鉄鋼のさび止め法の一。マンガン・鉄を含む燐酸りんさんの中に浸し、表面被膜を作ることによってさびを防ぐ。

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精選版 日本国語大辞典 「パーカライジング」の意味・読み・例文・類語

パーカライジング

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Parkerizing ) 鉄鋼の錆止めの一つ。マンガンや鉄などの燐酸塩溶液を用い、塗装前の金属下地処理を加えて皮膜を形成する方法アメリカのC=W=パーカーが実用化。

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改訂新版 世界大百科事典 「パーカライジング」の意味・わかりやすい解説

パーカライジング
parkerizing

リン酸塩処理phosphatingの俗称。リン酸および可溶性リン酸塩を主体とする水溶液で金属を処理し,その表面に不溶性リン酸塩皮膜をつくる化成処理法をいう。おもに鋼板の表面に亜鉛と鉄の複合リン酸塩を主体とする皮膜を形成させるもので,平均の厚みは0.1~3μm程度である。鋼のパーカライジングの目的は耐食性の向上と加工時の潤滑性の付与にある。防食目的のためには塗装の下地処理として薄い皮膜をつける場合と,厚い皮膜をつけたうえで防錆油(ぼうせいゆ)を含浸させて使用する場合とがある。潤滑目的のためには1μm程度の皮膜とする。皮膜の構造を顕微鏡で調べると,微細なリン酸塩結晶の集合体であることがわかる。一般にはこの結晶の大きさが細かいほど良い性質を示すので,処理浴の組成や添加剤に多くの処方が存在する。リン酸塩処理の効果の発見は1869年ロスW.A.Rossによる(イギリス特許)が,工業的な技術としての成立は1906年のコスレットT.W.Coslettのリン酸亜鉛を主成分とする処理法に始まる。パーカーC.W.Parkerはリン酸マンガンを主成分とする処理法を広く普及させたので,パーカライジングと呼ばれるようになった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パーカライジング」の意味・わかりやすい解説

パーカライジング
parkerizing

1915年にアメリカ人 C. W.パーカーが確立した鉄鋼の表面処理方法。表面を清浄にした鉄を,常温から 100℃強までの酸性リン酸亜鉛,リン酸および酸化剤などを含む溶液に浸漬し,鉄表面に不溶性の亜鉛または亜鉛-鉄の第三リン酸塩被膜を形成させる。線引きの工程で,線をリン酸塩浴にくぐらせてリン酸塩被膜をつけ,加工の潤滑剤として利用すると同時に酸化防止に役立てる。現在では,塗装を施される鋼板,メッキ鋼板の塗装下地として不可欠で,日本でも毎年 1500万tの鋼材がリン酸塩処理される。

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世界大百科事典(旧版)内のパーカライジングの言及

【化成処理】より

…皮膜化合物としてはリン酸塩,クロム酸塩,塩基性塩,酸化物,硫化物などがあり,塗装の下地処理,塑性加工のための潤滑,耐食性の向上,表面の化学着色などに利用される。鉄鋼のリン酸塩処理phosphatingは,登録商標としてはパーカライジングとかボンデ処理と通称され,リン酸亜鉛,リン酸鉄の微小結晶をその表面に析出させ皮膜とする処理法である。アルミニウムに対する塗装下地にはリン酸亜鉛処理やリン酸クロム酸の混合処理などが利用されるが,アルミニウム本来のベーマイトAlOOH皮膜を改良利用する技術も盛んである。…

※「パーカライジング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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