ヒメツバキ
ひめつばき / 姫椿
[学] Schima wallichii (DC.) Korth.
Schima mertensiana (Sieb. et Zucc.) Koidz.
ツバキ科(APG分類:ツバキ科)の常緑高木。葉は枝先に集まって互生し、長さ4~10センチメートル、全縁である。夏、枝先の葉腋(ようえき)に径約5センチメートルの白色花を開く。蒴果(さくか)は球形。小笠原(おがさわら)に分布する。近縁種イジュは沖縄に分布し、葉に鋸歯(きょし)があるので区別される。イジュとヒメツバキを同種とする説もある。樹皮に含まれるタンニンは染料に利用する。
[島袋敬一 2021年4月16日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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ヒメツバキ(姫椿)
ヒメツバキ
Schima mertensiana
ツバキ科の常緑高木で,小笠原諸島に特産する。琉球列島に多いイジュ S.wallichii ssp.noronhaeの近縁種で,両者を同一種とする見解もある。高さ5~10mになり,小笠原では最も大きくなる樹種の一つである。樹皮は黒褐色で老木では割れ目が目立つ。葉は短い柄で互生し,卵状披針形で長さ6~10cm,質は硬い。若葉はややピンク色を帯びることがあり,表面に粉白をかぶる。春から夏に,枝先に5弁の白花を総状に集めて咲かせる。花は径3~5cm,多数あるおしべは基部で花弁に癒着している。果実は球形で頂部がやや平たく,褐色で木質,熟すと上半部が5片に開裂する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のヒメツバキの言及
【イジュ】より
…ツバキ科ヒメツバキ属の常緑小高木で,種子が扁平で,縁に翼をもつことからツバキ属から区別される(イラスト)。4~5月に開花する。…
※「ヒメツバキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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